長崎県内「医療的ケア児・者」405人 在宅の保育所、短期入所利用できず

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医療的ケア児・者 希望はあるが利用できないサービス

 人工呼吸器の装着や胃ろうによる経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な「医療的ケア児・者」が、長崎県内に少なくとも405人いることが、県の実態調査で明らかになった。このうち在宅の276人は保育所や幼稚園での受け入れや施設の短期入所など必要なサービスが十分に利用できていない実態も浮き彫りになり、県は「市町に調査結果を提供し、連携して支援を充実させたい」としている。
 調査は昨年5~10月、県内の医療機関や福祉施設、特別支援学校などを通じて各家族に対して実施。574人分の回答を得た。
 このうち18歳未満で発症し、医療的ケアが必要な18歳未満の「ケア児」が105人、18歳以上の「ケア者」が26人。さらに重症心身障害併発の18歳未満が92人、18歳以上が182人で、合計は405人。在宅が276人、施設入所は129人だった。
 在宅の「ケア児・者」の発症年齢は出生時が194人と最多。0歳まで含めると229人で、全体の8割超を占める。
 年齢別では5歳未満が68人、5歳以上10歳未満が53人、10歳以上15歳未満が41人と年齢が上がるほど少ない。
 寝返りができない人は5割弱だったが、つたい歩きなどを含め自力で移動できる人が約3割だった。
 発語がない人が3割強いる一方で、日常生活の簡単な言語が理解できる人、文字や数字が少しは分かる人がいずれも1割強、などと発達段階にばらつきがみられた。
 必要なケアは、胃ろうなどによる経管栄養が159人、口腔(こうくう)・鼻腔内吸引、ネブライザーなどによる薬液吸入がいずれも115人、酸素療法が96人、気管切開などが95人、人工呼吸器使用が48人などだった。
 希望しつつも利用できないサービスは保育所や幼稚園での受け入れが最多。ケアに対応していないとの理由が多かった。続いて障害児施設での短期入所で、近くに施設がない、または定員に空きがないとの回答が目立った。介護者が休息できるよう医療施設がケア児・者を受け入れるレスパイトも不十分という。また母親が運転する車で登下校する際、たん吸引などが必要になれば「一人で怖い時がある」として移動支援を求める声もあった。
 災害時の避難先は5割超が決まっておらず、市町の避難行動支援者名簿に登録されていない人も2割強に上り、支援体制の構築も急務。「一般の避難所は困難。停電が起きれば(人工呼吸器などが使えず)命の危険にさらされる。電源確保が可能な医療機関に一刻も早くつないでほしい」「在宅酸素を使用中。防災マップに酸素療法が可能な避難先を表示してほしい」などの意見が寄せられた。