「顧客本位徹底し好循環を」FFG新社長・五島久氏 十八親和銀、課題解決に注力

抱負や課題について話す五島新社長=福岡市中央区、FFG本社

 十八親和銀行(長崎市)や福岡銀行(福岡市)などを傘下に置く、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)の社長に五島久氏が1日付で就任した。社長交代は8年ぶり。十八親和銀やFFGの展望、課題などについて聞いた。

 -目指す姿や課題は。
 「顧客本位を徹底する」「人と組織の力を引き出す」「収益を上げ続ける」の三つを柱に取り組み、好循環をつくっていきたい。傘下にリアルの銀行三つと(インターネット専業銀行の)「みんなの銀行」があり、ビジネスの幅が広がっている。いかに効率的、効果的に成長させていくかが課題だ。

 -十八親和銀の収益向上に何が必要か。
 長崎県内では圧倒的な情報量と顧客基盤があり、FFGの大きな一翼を担う銀行になった。システム統合や店舗統合が完了し、いよいよ本当の意味で地域貢献を軸にした営業に注力できる。顧客の期待も大きい。社会課題解決の手伝いにしっかり取り組みながら、いかに収益につながるビジネスにしていくのかが一つの大きなテーマになる。

 -九州経済の見通しについて。取引先の状況は。
 コロナ前の経済状態に戻るのがいつ頃か明示は難しい。加えて、ウクライナの問題でサプライチェーン(供給網)が動いていないところが出てきているのではないか。回復が遅れると経済にも影響が出てくると懸念する。取引先への聞き取りでは足元ではそこまで困ったという声はないが、長期化するようなら困るという声は相応にある。

 -みんなの銀行の展望は。
 昨年5月に営業開始し、まずは全国的に認知されたと思う。いかに使ってもらい、収益にするのかが大事になる。ローンなど必要な機能は随時充実させ、銀行本体との相乗効果も図りたい。

 -地銀再編への考え方は。
 経営統合はあくまで手段であり、効率化や成長性が描けるか、ステークホルダー(利害関係者)が納得するかが重要。アライアンス(提携)先は銀行だけということでもない。いろんな業種とも検討できるのではないか。

 -本県との関わりは。
 旧親和銀が傘下入りした際は(FFGの)人事統括部副部長だった。毎週のように旧親和銀に通って議論し、夜は酒を飲み、意見交換を随分密にやらせてもらった。思い出に残っている仕事だ。
 五島という名前の縁で五島列島を訪れたことがある。とにかく海のきれいなことに驚き、教会群も心に残った。

 【略歴】ごとう・ひさし 九州大法卒。85年福岡銀行入行。FFG取締役執行役員などを経て1日付で社長に就任。福岡銀頭取も兼ねる。鹿児島県出身。趣味は読書や音楽鑑賞で、ドラムやギターも演奏する。座右の書は城山三郎著「少しだけ、無理をして生きる」。コロナ禍以降は活動できていないが、福岡銀軽音楽部のバンドではドラムを担当する。

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