伊豆急3000系「アロハ電車」お披露目

伊豆急3000系「アロハ電車」

2022年4月1日(金)、今月30日(土)から営業運転を開始する伊豆急3000系「アロハ電車」の見学会が開催されました。

元になった209系はかつてJR東日本の通勤路線を担っていた車両ですが、観光路線の伊豆急で走るにあたり外観を一新。「リゾート21」の伝統色に回帰し、「海側に赤」「山側に青」の2色のホヌ柄(※)でラッピングする斬新なデザインで生まれ変わりました。車両正面も下田方は赤、伊東方は青とし、スカートにも配色することでインパクトのあるフェイスデザインとしています。

※「ホヌ」はハワイ語で「ウミガメ」の意味。

ラッピングの柄はホヌ(海亀)、ハイビスカス(花)、イルカ、モンステラ(リーフ)をベースに、伊豆ならではの名物をシークレットキャラクターとして配置しています。また車両には「IZUKYU CORPORATION ALOHA TRAIN」のエンブレムを配置。逆側の色とすることで際立たせました。

こうしたデザインにした理由は、伊豆急のキーワードである「ハワイアン」のイメージを生かしつつ、利用者が少しでも非日常を味わえるようなものにしたい、という意図が込められています。

209系からの変化、内装にも様々なラッピング

車内の座席などは元の209系のままですが、ドアラッピングや額面ポスター、窓上ポスター、路線図など手が入っている部分もあります。

車内のドアは1両につき4枚にラッピングが施されていました。それぞれ南国伊豆をイメージした沿線を代表する自慢の海を紹介するものとなっており、全部で12種類になります。1号車は城ヶ崎海岸(伊東市)、北川ダイビングポイント(東伊豆町)、白浜中央ビーチ(下田市)、ヒリゾビーチ海上(南伊豆)の4種類、といった具合。

額面ポスターは11種類用意されており、車両ラッピングデザインに隠れた「シークレットキャラクター」を伊豆急行式キャラクター「いずきゅん」が紹介するものになっています。わさびやキンメダイ、みかんなど、沿線の名物をちりばめていることが分かります。

窓上ポスターでは、209系がデビューした1993年からの伊豆急3000系として導入されるまでの変遷を4枚のポスターで紹介。京浜東北線時代、房総エリア時代、千葉から伊豆への輸送時、伊豆急行時代に分かれています。

路線図のデザインは背景をホヌ柄に。ラッピングドアの上の枠には車両デザインと「E KOMO MAI 伊豆急「アロハ電車」にようこそ」(「ようこそ」「いらっしゃい」などを表すハワイ語)という文言をデザインしたポスターを掲出しています。

気になる運用ですが、生まれ変わった伊豆急3000系は、伊東線への入線を前提とした8両編成での運行がメインとなるようです。一方で配布資料には「8両編成または4両編成で運行する場合があります」との記載もあり、いずれ4両編成で走る姿も見られるかもしれません。

記事:一橋正浩

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