「閉塞性睡眠時無呼吸症」新治療法を初実施 獨協医科大の中島准教授

体内に埋め込む舌下神経電気刺激装置(インスパイア・メディカル・システムズ社提供)

 睡眠時に気道がふさがり、無呼吸や浅い呼吸を引き起こす「閉塞(へいそく)性睡眠時無呼吸症」。これに対する新たな治療法「舌下神経電気刺激療法」(HNS)が昨年6月、保険適用になった。獨協医科大耳鼻咽喉・頭頸部(けいぶ)外科の中島逸男(なかじまいつお)准教授(54)は2月上旬、国内で初めて舌下神経電気刺激装置「インスパイア」を埋め込む手術を実施。「閉塞性睡眠時無呼吸症は潜在的な患者が多いといわれている。HNSが一つの治療法となればいい」と話している。

 閉塞性睡眠時無呼吸症は肥満や骨格などが原因で、睡眠中に空気の通り道である気道が狭くなったり、完全に閉じてしまったりする。このためぐっすり寝れず疲れが取れない、イライラしてしまうなど日常生活に支障が出ることがある。

 中等度以上の治療は、睡眠時にマスクを着けて気道を広げる「CPAP(シーパップ)」が一般的。ただ、着用の不快感から続けられない患者も少なくないという。 

 HNSは、手術により体内に舌下神経電気刺激装置を埋め込み、睡眠時に吸気と連動して舌下神経へ電気刺激を与える。喉に落ち込んでいる舌を収縮させ、気道の閉塞を防ぐ仕組みだ。

舌下神経電気刺激装置の埋め込み図(インスパイア・メディカル・システムズ社提供)
中島逸男准教授

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