大和市長パワハラ疑惑 金子氏が反訴、名誉毀損と訴訟権乱用

記者会見を開き、反訴の理由を語る金子氏(左)=東京都町田市内

 大和市副市長を昨年4月に辞職した金子勝氏(65)が大木哲市長(73)による職員へのパワーハラスメント的言動があったと証言したことに対し、大木市長が「虚偽の流布」として金子氏に慰謝料などを求めた横浜地裁の訴訟について、金子氏は1日、東京都町田市内で記者会見を開き、反訴したことを明らかにした。反訴状提出は3月30日付。

 大木市長は昨年6月、辞職理由とした金子氏の証言が報道されたことで名誉が毀損(きそん)されたとし、謝罪広告の掲載と慰謝料1100万円の支払いを求めて同地裁に提訴し、係争中。

 この本訴に対して金子氏側は「大木市長が(報道以降の)記者会見で『パワハラは捏造(ねつぞう)』と、うそつき呼ばわりされた。政治的な攻撃が目的と推察されるなどの意見広告も出して社会的評価を低下させられた」とし、名誉毀損による慰謝料550万円を請求した。

 また、新たな争点として大木市長の提訴を「金子氏に続いてパワハラを証言しようとする職員や元職員を萎縮させるスラップ訴訟に相当する」と指摘して訴訟権の乱用を掲げた。

 金子氏は「反訴はどちらの主張が正しいか、はっきりさせるのが目的。権力を握る者がスラップ訴訟のような不法行為までするのは許されない」と訴えた。

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