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創部から1年で12人が所属、静岡市の「フューチャーズ・レディース」
年齢は問わない。目的は1つ、女性も野球を生涯楽しむ。静岡市の女子軟式野球チーム「フューチャーズ・レディース」には、中学生から50代まで12選手が所属している。初心者も大歓迎で、50代で初めて野球をしたメンバーもいる。勝つだけが全てではない。チームは、女子野球の「セーフティネット」を掲げている。
【実際の動画】51歳の女性選手が軽快な打撃を披露! 多世代が集まるフューチャーズ・レディースの練習風景
野球がしたい――。その気持ちさえあれば扉は開かれている。静岡市には中学生以上を対象とした女子軟式野球チーム「フューチャーズ・レディース」がある。県内唯一の小学生女子野球チーム「フューチャーズ」の“姉”にあたる。昨年4月にチームを設立した花村博文監督は「女子野球のセーフティネットをつくりたかった」と語る。少年野球の指導者を経験し、女子が野球をできる環境が足りないと長年感じてきた。
「地元にチームがなくてソフトボールに転向したり、一度野球を辞めてもう1回やりたいと思ってもチームがなかったり、野球をあきらめる女子選手を見てきました。挑戦できる場所、年齢や経験に関係なく野球に興味がある人がプレーできる場所が必要だと思っています」。
創部から1年が経ち、チームには正式メンバー12人と体験中のメンバー2人が所属している。最年少は中学2年生、最年長は今年還暦を迎える。体験のメンバー1人を含めて、50代が4人。野球未経験者も多い。
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母親より年上とプレーする中2女子「話をするのも楽しい」
4月に中学2年生になった日野優奈さんは小学2年生でソフトボールを始め、中学では軟式野球部に入った。平日の部活では男子に混じっている。「フューチャーズ・レディース」では母親よりも年上のチームメートとプレーし「普段話す機会が少ない幅広い年齢の人がいて、話をするのも楽しい。練習や試合で自分から声を出してチームを盛り上げていきたいです」と笑みを浮かべる。
チームには年齢の近い野球経験者もいるため「高校で野球を続けるか分かりませんが、女子野球という選択肢を知ることができたのもありがたいです」と有意義な時間を過ごしている。
現在51歳の大石節子さんは1年前にチームに入って、初めて野球を経験した。息子が高校まで野球をやっていたことから興味を持ち「自分でもやってみよう」と決めた。野球は年齢や経験に関係なく楽しめるスポーツだと実感し「若い子と過ごすようになって気持ちが若返って、笑顔も増えました」と効果を明かす。チームメートから流行やSNSを教わり、今ではツイッターやインスタグラムで全国の女子野球や静岡県内の野球チームについて情報収集している。
花村監督は「野球は生涯スポーツで、始めるのに年齢は関係ないです」と力を込める。年齢や経験を問わない異色のチームは、女子野球の認知度を高め、裾野を広げる一助となっている。(間淳 / Jun Aida)