新型コロナウイルス禍で3度目の新年度を迎えた1日、長崎県内企業の入社式がオンラインも併用しながら行われた。今秋に西九州新幹線開業を控えるなど「100年に1度の変革期」にある中、新入社員は希望を胸に社会人としての第一歩を踏み出した。
JR長崎駅そばに昨年11月開業した高級ホテル「ヒルトン長崎」(長崎市)は、新卒採用1期生8人が臨んだ。阿倉宏隆総支配人は「(職場の)モットーは明るく元気。笑顔あふれるホテルにしてほしい」と歓迎。入社した西彼長与町出身の村田麻結さん(22)は「まちづくりに貢献できるように頑張りたい。プライドを持って働く」と誓った。
西部ガス長崎(同)は、ホールディングス制移行に伴う昨年4月の事業開始後初となる新卒社員が、県立長崎工業高から2人入った。沼野良成社長は「エネルギー業界は大きなターニングポイントを迎えている。変革の時代を生き抜くためには『人間力』が何より大事」と激励。入社した川田冬馬さん(18)は「やる気と元気は誰にも負けないよう頑張る」、真島颯太さん(18)も「若さを生かし何事にも挑戦する」と意気込んだ。
開業30周年のハウステンボス(佐世保市)は79人が入社。2017年度以降では最も多く、コロナ禍後の集客増などを見据えた。坂口克彦社長は「30周年のテーマは感謝。素晴らしい社員に成長することが支えていただいた方々への恩返し」とあいさつ。新入社員を代表して宮﨑華織さん(22)が「コロナ、ウクライナ問題などが終息し、世界中の人がハウステンボスに訪れることを願う」と述べた。
県中小企業家同友会(中村こずえ代表理事)が諫早市内のホテル会場とオンライン併用で開いた合同入社式には、14社の29人が参加した。松本一孝共育委員長が「どんな社会人になりたいかを考えて学び、力をつけて」と要望。新入社員が一人ずつ抱負を述べ、プライアントHTC事業部(佐世保市)の亀澤李音さん(23)は「人と人をつなげられる人材になる」と決意を表明した。