病と生きる姿、写真で語る 鎌倉で5月に展示、作品も募集

公募型写真展を開く(右から)中川さんと高嶋さん、槇さん(左端)=鎌倉市内

 「病と生きる姿を伝えたい-」。兵庫県姫路市の女性2人が5月13日から、神奈川県鎌倉市小町2丁目の鎌倉彫会館で「公募型写真展」を開く。昨年、乳がんのステージ4と告知された高嶋ひさよさん(43)は「今を生きることへの大切なエールにしたい」と話している。

 写真展を開くのは高嶋さんと、中川まりさん(37)。高嶋さんは昨年1月に乳がんと告知された。仕事や子育てに忙しい日々。自営業ということや、「病気が見つかったら怖い」との思いから、検診にも足が遠のきがちだったという。大きな病院での診断結果は「骨にも転移している乳がん」とされた。結果は淡々と受け止めた。

 中川さんは生後半年で「潜在性二分脊椎脊髄脂肪腫」と診断された。現在も歩行に支障があるという。

 2人は同級生の子どもを持つ「ママ友」で、イベント企画会社を起業、経営していることもあり意気投合。昨年末に姫路市内で出展者を募集し「病からの伝言 光と闇の狭間写真展」を開いた。

 約40人からの出展があり、3日間でおよそ400人の来場があった。写真を眺め静かに涙を流していく人や、立ち止まってじっくり出展者のメッセージを読んでいく人が多かったという。

 高嶋さんは「(企画したことは)間違っていなかった。地縁のある姫路以外にも広げていきたいと思った」と振り返る。

 1回目に出展した脳腫瘍を患う槇仁彦さん=鎌倉市=が縁で、鎌倉での開催にこぎ着けた。中川さんは「出展者が思いを吐き出すことで前向きになってもらいたい」と狙いを語る。高嶋さんも「これを機に、元気な方にも検診に行ってもらう機会になれば」と話している。

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 同写真展の事務局では来場者のほか、出展者も募集している。対象は、疾患や持病のある人(完治済みや経過観察も含む)、または、その家族。当事者を含む人物が写っている写真1枚と150文字のメッセージを添えて応募する。参加費は1800円(出展記念フォトブック付き)。問い合わせは「病からの伝言事務局」のホームページからできる。

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