「お手上げ」と思わせる投手に ソフトボール国内最速右腕・小山玲央

「自分が出てきたらお手上げと思わせる投手になりたい」と話す小山=平戸市総合運動公園ライフカントリー赤坂野球場

 2019年の世界男子ソフトボール選手権で日本の銀メダルに貢献した小山玲央(佐世保西高出身)。国内最速135キロの右腕は昨年、日体大から平林金属(岡山)に入団した。4月8日の日本リーグ開幕を前にチームは長崎県平戸市で合宿を実施。秋にはワールドカップ(世界選手権から改称)も開催される今年、さらなる飛躍が期待される23歳に抱負などを聞いた。

 -実業団1年目を振り返って。
 目標の一つだった個人の公式戦無敗(15勝)を達成できたことは収穫。日本リーグの第1節で複数失点してから、大学時代のように力で押すだけでなく、緩急やコースを突いて勝負することをより意識するようになった。職場も含めていい環境でやらせてもらっている。

 -今年は11月にワールドカップ(W杯)が開催される。
 まずは4月18~20日にある選考会でしっかりと代表入りしなければ始まらない。日本リーグもあるけど、両立させていきたい。もし選ばれたら、前回決勝で負けた悔しさを知るメンバーも多くいると思うので、今度こそ優勝したい。

 -日本代表も指揮する平林金属の吉村監督は二刀流を期待している。
 もともとピッチングよりバッティングの方が好き。期待してもらっているのはうれしいし、それに応えられるように頑張る。平林金属の先輩で日本代表の投打の柱である松田光さん(19年世界選手権で投手として4勝、打者として5割4分6厘、13打点)が手本。後を継ぐ存在にならなければと思う。いろいろなことを吸収しながら、松田さんとも、年下の選手ともコミュニケーションを取っている。

日本リーグ開幕を前に調整する小山=平戸市総合運動公園ライフカントリー赤坂野球場

 -あらためて今年の抱負は。
 昨年は個人の目標は達成できたが、チームは最後の全日本総合選手権で負けてしまったので、チーム無敗もぜひ成し遂げたい。全部のタイトルが取れるよう一戦一戦やっていく。相手に自分が出てきたらお手上げと思わせるような投手になりたい。

 -長崎の少年少女たちにメッセージを。
 長崎ほどソフトボールに熱意を持ってやってくれるところはそうそうない。(第一線で活躍する長崎県出身選手が小中学生に技術指導する)「バッテリーキャンプ」の参加者は次世代を担う選手たちだと思う。ソフトボールを続けてくれたらうれしいし、もし他のスポーツをやるにしても、こうした機会を大事に、次へつなげていってほしい。

 【略歴】こやま・れお 佐世保市出身。早岐中から佐世保西高に進み、2015年の夏の近畿インターハイ、16年春の全国選抜大会で2季連続日本一。同年の世界ジュニア選手権では35年ぶりの金メダルを獲得した。17年の日体大進学後も全日本大学選手権(インカレ)でV3、18年には全日本総合選手権で学生チームとして初優勝したほか、19年の世界選手権は19年ぶりの銀メダル。21年に平林金属入りし、6度目の日本リーグ制覇に貢献した。得意球はライズボールとカットボール。180センチ、87キロ。

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