「困っている人見過ごせない」 ニセ電話詐欺防ぐ 長大医学部生に感謝状

感謝状を受け取った舟串さん(右)とファミリーマート長崎平和町店の関係者=長崎市平和町(浦上署提供)

 ニセ電話詐欺被害を未然に防いだとして浦上署は、長崎大医学部4年の舟串僚さん(29)と長崎市のファミリーマート長崎平和町店(田中美雪店長)に署長感謝状を贈った。
 同署などによると、昨年12月28日深夜、市内の70代男性のパソコン画面から警告アナウンスが鳴り「ウイルスに感染した」と表示された。記載された番号に男性が電話すると、電子マネー7万円分を購入するよう指示された。
 男性はすぐに同店へ。高額のため不審に思った従業員が売るのをためらっているのを見た舟串さんは「それ、詐欺だと思う」と声を掛け、ニセ電話詐欺の注意を呼び掛けるポスターを男性に示しながら説得した。男性は詐欺と納得し、警察に通報した。
 舟串さんはその後も、警察からの「パソコンをシャットダウンする」などの指示がよく分からない様子の男性を見かねて自宅まで同行し、やり方を教えた。
 舟串さんは「医者になる者として、また父が元警察官ということもあり、困っている人を見過ごせない気持ちに突き動かされた。助けられて良かった」と笑顔で話した。


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