飫肥杉 虫歯抑制に効果 宮崎北高生 学会で発表

日本細菌学会総会で発表する高橋正輝さん(右)と下茂晄大さん

 捨てられる飫肥杉の葉の活用を―。宮崎市・宮崎北高サイエンス科新3年の高橋正輝(まさてる)(17)、下茂晄大(あきひろ)(17)さんは、飫肥杉を使った歯磨き粉開発についての研究成果を、オンラインで行われた日本細菌学会総会(3月29~31日)で発表した。実験により、飫肥杉の成分が虫歯菌の増殖を抑える効果がみられたことを報告。専門家から受けたアドバイスを励みに、「試作品の完成を目指したい」と意気込んでいる。
 2人は科学部に所属。祖父が日南市で林業を営み、幼い頃から飫肥杉が身近にあったという高橋さんの発案で、入学当初から研究に着手。捨てられる葉や枝を使い、飫肥杉の魅力である香りの良さや殺菌効果を生かした歯磨き粉の開発を目指し、実験を重ねてきた。
 この2年間で、葉から抽出に成功したオイルを蒸留水に溶かし、培養した虫歯菌に加えて増殖するか確認する実験まで進展。その結果、虫歯菌増殖を阻止する効果が認められたという。
 同総会の発表には、全国から選ばれた中高生18組が登壇。2人は29日に発表し、専門家から「発想が面白く、実用化を期待している」など好意的な意見が寄せられていた。
 2人は「4月から受験生で時間がないが、アドバイスされた安全性を確認しながら、試作品の完成を目指したい」と話していた。

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