「限度超えている」横浜刑務所に神奈川県弁護士会が改善勧告

横浜刑務所

 神奈川県弁護士会は4日、横浜刑務所(横浜市港南区)の受刑者に対する指導は「必要最小限度の範囲を超えている」として、改善を勧告したと発表した。勧告は3月24日付。

 勧告書では、受刑者の集団移動時の指導について「職員の号令に合わせ、足先が自然に下に向くよう左足から足を上げ、両手の指先、肘を伸ばし自然に振る」との方法を問題視。「矯正教化などの目的を達成するための範囲を超えている」と指摘し、直ちにやめるよう求めた。

 勧告書によると、同所は刑事収容施設法を根拠に、「受刑者が他人を威嚇するような不体裁な格好で歩行することのないよう」指導しているとした上で、「腕を振る角度と、足を上げることは指導していない」と回答したという。

 2018年、同刑務所に服役していた申立人から、指をそろえることや腕の角度まで指導を受けるなど「軍隊式行進をさせている」と人権救済の申し立てがあり、弁護士会が調査していた。同会は同刑務所に対し16年にも同様の勧告をしたが、処遇が改善されていないとも指摘した。

 同所は「当所の措置に違法、不当な点はないと考えており、今後とも適正な被収容者処遇に努める」などとコメントした。

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