諫早市内 都市ガス供給一時停止 設備不具合で2万戸に影響

トラブルがあった九州ガス津久葉工場=諫早市津久葉町

 九州ガス(長崎県諫早市)は4日、諫早市内の民家や事業所約2万戸で同社都市ガスの供給が停止するトラブルが発生したと発表した。ガス製造プラントのコンプレッサーの不具合が原因とみられ、解明を急ぐ。夕方までにほとんどの地域で供給が再開したが、貝津地区の約800戸で使用できない状態が続いている。同社は5日朝までの全面復旧を目指している。
 同社によると、4日午前6時15分ごろ、ガス管の圧力低下を知らせるアラームが鳴った。通常のコンプレッサーが故障し、予備機も不具合で作動しなかった。機器トラブルを解消し、同10時すぎ、製造設備を再稼働。正午すぎにガス管内の圧力上昇を確認し、エリアを段階的に広げる形で供給を再開した。ガス製造が止まったのは3日午後11時半ごろとみている。
 同社には4日早朝から「ガスが出ない」などの連絡が殺到。広報車で状況を知らせるなど対応に追われた。同社の電話回線がつながりにくい状況が続いたため、問い合わせは市役所にも相次ぎ、市は急きょ、市のホームページに緊急情報を掲載し周知した。市役所で会見した栗林宏光社長は「お客さまの信頼を大きく失墜させる重大インシデントだと深く反省し、再発防止と信頼回復に全精力を注いでいく」と陳謝した。同社は全世帯、事業所を巡回し、メーターの復旧を目視で確認していく。
 影響は市民生活や業務に広がった。二つの市立保育所では計約240人分の給食が調理できなくなり、乾パンなどの非常食に切り替えた上で、食器も使い捨ての紙皿や紙コップなどで提供した。飲食店では一部メニューを中止するなどの影響も。急きょランチ営業を取りやめた東小路町の飲食店店主の男性(36)は「火が使えないのは困ったが、たまたまランチ予約が入っていなかったのは不幸中の幸いだった。今後、どういった備えが必要か考えたい」と話した。
 ガス使用再開の問い合わせは同社諫早支店(電0957.22.3320)。

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