<新戦力 駅伝実業団の精鋭たち> メモリード/陣内綾子(九電工)

世界陸上への出場歴を持つ陣内(左)。村山コーチと二人三脚で競技を続ける=佐賀市、SAGAサンライズパーク補助競技場

 長崎県内の陸上実業団チームに、今年も期待の新戦力が加わった。女子のメモリードは中距離で日の丸を背負った経歴を持つベテランを迎え入れた。
 インパクトのある“大型補強”だ。
 全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)初出場を目指すメモリードに、2007年大阪世界選手権800メートル日本代表の陣内綾子(35)が加入した。13年間所属した九電工を昨年9月に退部していたが、現役への思いは強く新天地からのオファーを快諾。「必要としていただける環境で走れる」と決意を新たにしている。
 800メートルで全国中学大会やインターハイを制し、日本選手権は07、09年の2度制覇。さらに1500メートルで12~14年に日本選手権3連覇を達成し、4分10秒08(日本歴代6位)の記録を持つ。クイーンズ駅伝も九電工の入賞メンバー常連で、最高順位は16年の4位(2区3.9キロで区間7位)。昨年の全日本実業団選手権は800メートル3位、1500メートル5位と第一線で活躍を続けている。
 佐賀県出身。強豪校ではなく中学時代から教わる村山律子コーチの下で競技がしたいと、佐賀西高、佐賀大、さらに実業団入り後も一貫して佐賀を拠点にしてきた。今後もメンバーと離れて佐賀でトレーニングを積み、800メートルを中心に出場する予定だが「夏以降は駅伝練習をしっかりやる」とチームでの戦いにも意欲的。メモリードの小田鎌徳監督は「短い区間の即戦力」と大きな期待を寄せている。
 10日に山口県で開催される競技会がメモリードのユニホームを着て臨む初戦となる。田中希実(豊田自動織機)をはじめ、他のトップ選手とどんな勝負を見せるか、注目される。


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