旧高原高「地域で活用を」 矢野産業(国富)が整備

旧高原高の利活用について覚書を締結した矢野産業の矢野俊也社長(左)と高原町の高妻町長

 2013年に閉校した旧高原高が、地域住民や地元団体が利用できる施設として整備された。国富町の矢野産業(矢野俊也社長)が県から購入した校舎などを改修し、地域貢献の一環として無償で開放。今月から地元公民館として一部の利用が始まっており、町や関係団体で発足させる協議会が今月中旬にも利用者を募る。
 小林秀峰高への統合に伴って閉校した旧高原高は、昨年2月に県が行った競売で県内最大手の砕石業者である同社が落札。地域で役立ててもらおうと、雨漏り工事などを行ってきた。
 今回使えるようになったのは管理棟と普通教室棟の2棟約30室。2階建ての管理棟1階の1部屋を地元の上麓区の公民館として活用する。3階建ての普通教室棟の1階部分は同社の研修室となり、その他の教室は施設を運営する協議会が地元団体などに無料で貸し出す。
 ほかにも体育館や乳製品加工棟など6棟とグラウンド、プールがあり、利用を希望する団体などの意見を参考にしながら、同社が改修していくという。
 3月30日には同社と町が施設の利活用に関する覚書に調印。高妻経信町長は「地元に親しまれてきた学校に新たな命を吹き込んでいただいた」と感謝。同社の矢野久也会長は「皆さまに活用いただき、地域の核となる施設になればうれしい」とあいさつした。

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