Blackmagic Design導入事例:グレーディング専門スタジオARTONE FILMの場合

Blackmagic Designによると、2021年にオープンしたARTONE FILM株式会社が、DaVinci Resolve StudioおよびDaVinci Resolve Advanced Panelを導入してグレーディング業務を行っているという。

同社はカラリストとして豊富な経験を持つ石山将弘氏と亀井俊貴氏が立ち上げた、日本初のグレーディング専門スタジオで、オープン以来Netflixオリジナル作品や長編映画、コマーシャル、ミュージックビデオなど数多くの作品を手がけている。

ARTONE FILMの石山氏および亀井氏はいずれもシニアカラリストとしてキャリアを積んでおり、DaVinci Resolve Studioを使用して、数多くの映画、TVシリーズ、ミュージックビデオ、コマーシャルのグレーディングを手がけてきた。

同社は設立以来、多くのクリエイターに支持され、長編ではNetflixオリジナル作品「浅草キッド」や「新聞記者」、そして3月に公開した長編映画「余命10年」、MVではKing Gnuの「BOY」、ドミコの「血を嫌い肉を好む」、BUMP OF CHICKENの「Small world」、さらに大正製薬やUQ mobileといった、数多くの企業のTVCMのグレーディングを手がけている。スタジオ設立について、石山氏は次のようにコメントしている。

石山氏:カラリストが経営にも決定権を持てる会社を作りたいと思ったのが設立のきっかけです。カラリスト自身が運営に携わることで、クリエイティビティを最大限に発揮できます。独立と言ってもフリーランスになるという考えはありませんでした。映像は総合芸術なので一人の力で何かをするより、会社としてたくさんアーティストを集めて何かやりたいと考えていました。

そこで俊貴さんに声をかけたんです。俊貴さんは、Blackmagic Designのセミナーなどでもグレーディングを見ることがあって、作るカラーも好みのスタイルだったので、私がアシスタントの頃から意識していました。

亀井俊貴氏は、都内にあるアメリカ系ポストプロダクションでカラリストとして活躍していた。

亀井氏:初めて連絡をいただいたときは、自分が何かやらかしたのかと心配になりました(笑)。石山さんからグレーディングスタジオを作りたいという話をもらったときは、私自身も将来的にはそういうことができたらいいなと考えていたので、すぐに一緒にやりましょうと答えました。

石山氏も亀井氏も初めて使ったグレーディングシステムがDaVinci Resolve Studioだという。そのため、ARTONE FILMでも同様にDaVinci Resolve Studioおよび2式のDaVinci Resolve Advanced Panelを導入した。石山氏はDaVinci Resolve Advanced Panelについてこう話す。

石山氏:以前所属していたポストプロダクションでもAdvanced Panelも使っていて、操作の感覚が身体に染み付いてしまっているので、これなしでは感覚的にグレーディングできないですね。パネルのデザインに変更がありましたが、慣れてしまえばこちらの配置の方が使いやすいです。

グレーディングはどんなジャンルにかかわらず、スピードを求められます。DaVinci Resolveはシンプルで使いやすく、グループ化してグレーディングを一括で適用する機能も充実しています。長尺でもCMのような短い尺のものでも対応できるので、世界中のスタジオで使われているのも納得です。

DaVinci Resolveの開発チームはユーザーの話をよく聞いてくれます。ユーザーの声を反映してどんどんいいソフトウェアになっていますね。新しいバージョンのHDRモードとColor Warperは使いやすくて重宝しています。

ARTONE FILMを設立したことで、日本のグレーディングをどんどん発展させていきたいです。どんな人たちを巻き込んで、どんなクリエイティブをしていくか。そこのコミュニケーションが大事なので、そのアクションをいち早く起こしていきたいですね。

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