〈月間・金正恩総書記の活動〉“いかなる軍事的企図も徹底阻止” 2022年3月 / 新型ICBM試射を命令、指導

金正恩総書記は3月、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射に関する命令を自ら下し、現地で指導。米国を制圧する国防力を不断に強化し、朝鮮の安全と平和を守る確固たる意思を示した。

従来型上回る性能

朝鮮中央通信によると、朝鮮で新型ICBM「火星砲―17」型の試射を行い、成功した。

金正恩総書記は23日、試射断行に関する親筆命令を下し、24日、試射の全過程を現地で直接指導した。

金正恩総書記は新型ICBM試射すべての過程を直接指導した (朝鮮中央通信=朝鮮通信) 

朝鮮がICBM試射を行うのは2017年11月の「火星15」型の試射以来、4年4カ月ぶり。ロフテッド軌道で発射された「火星15」型の最高高度は4475キロメートル、飛距離は950キロメートルで、飛行時間53分だった。

前回と同様にロフテッド軌道で発射された「火星砲―17」型は平壌国際空港から打ち上げられ、最高高度6248.5キロメートル、飛距離1090キロメートル、飛行時間4052秒(67分32秒)で、朝鮮東海の公海上の予定水域に正確に弾着。最高高度、飛距離、飛行時間ともに従来のICBMをはるかに上回る高い性能を示した。

今回の試射を指導した金正恩総書記は、新しい戦略兵器の出現は全世界にわれわれの戦略武力の威力を今一度はっきり認識させることになるとしたうえで、引き続き国防力強化に国家のすべての力を最優先的に集中していくことは、自分の尊厳と自主権、平和守護のために、祖国と次世代の永遠の安泰のために党が下した決心であり、人民自らの崇高な選択であると宣明した。

また、朝鮮の国家防衛力はいかなる軍事的威嚇・恐喝にもびくともしない強大な軍事技術力を整え、米帝国主義との長期的対決を徹底して準備していくとし、朝鮮の戦略武力は米帝国主義者のいかなる危険な軍事的企図も徹底的に阻止し、抑止する万端の準備態勢にあると確言した。

戦争脅威に対抗

金正恩総書記が述べたように、朝鮮の新型戦略兵器の開発は、社会主義強国をめざすうえで障害となる敵対勢力の脅威に対抗し、国の安全と平和を担保するためのものだ。

朝鮮は国家核武力完成の翌年である2018年の4月、朝鮮労働党中央委員会第7期第3回総会で、核実験とICBM試射を中断すると宣言。米国との対話に臨んだ。

しかし、米バイデン政権は朝鮮に対し、旧態依然の敵視政策・対決政策を選択。前政権で中止を公約した南との合同軍事練習を続け、先端兵器を南に搬入し、戦略核兵器を朝鮮半島周辺地域に展開しながら軍事的圧力をかけた。

新型ICBM「火星砲-17」型の試射が行われた (朝鮮中央通信=朝鮮通信)

そうした中今年1月19日、対米対応方向を討議した党中央委第8期第6回政治局会議で、米国の敵視政策と軍事的脅威が看過できない危険水域に至ったという判断の下、朝鮮が先決的に講じた信頼構築措置を全面的に再考し、暫定的に中止してきたすべての活動を再稼働させる問題を議論するとした。

誰であれ、わが国家の安全を侵害しようとするなら、必ず凄絶な代償を払うことになるということをはっきり認識させるべきだ―、総書記は「火星砲―17」型の試射に際しこのように述べたという。米国とその追随勢力が朝鮮に対し軍事的挑発をつづけ、自主権と安全を脅かす限り、朝鮮の国防力はいっそう強化されていくだろう。

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