子育ての息抜きに…情報発信続けたい 冊子「たいようのえくぼ」継続へ支援募る コロナの影響で収入落ち込み

 沖縄の子育てに役立つ情報を発信しているフリーペーパー「たいようのえくぼ」が発行継続の危機に直面している。新型コロナウイルスの影響で企業からの広告出稿が減ったほか、イベントも開催できず収入が落ち込んでいるためだ。発行するNPO法人たいようのえくぼ(仲村優香代表)は「子育ての息抜きになる情報を届け続けたい」と支援を呼び掛けている。

 「たいようのえくぼ」は「子育てが今よりもっと楽しくなる沖縄発の情報誌があったら」という思いから、SNSでつながった女性たちが2009年に創刊した。

 子育て中のお母さんたちが仕事や育児の合間に企画会議、営業、取材、編集をして発行を続けてきた。年3回、約2万部の発行。県内のファミリーマート全店、沖縄銀行全店、子育て支援センター、児童館などに設置している。

 最新号の39号では子育て中のイライラの解消法、性教育、男性の育休などを取り上げている。誌面の企画はメンバーの悩みや気になることを起点に生まれる。当事者だからこその内容は読者にも好評で「沈んでいた気持ちが軽くなった」「子育ての不安の中、『たいようのえくぼ』は支え」などの感想が寄せられている。

 資金面で発行を支えるのは趣旨に賛同した企業や個人からの広告や寄付だが、2年に及ぶコロナ禍で企業が広告出稿を控えているほか、年に2、3回開いてきたイベントを開催できなくなった。メンバーの一人、水上実穂さんは「この2年は出せば出すほど赤字。昨年で休刊も考えた」と明かす。

 ウェブだけでの発信に移行することも検討したが、仲村代表は「ウェブだと検索しないとたどり着けない。ふと手にとった時に心が軽くなったり、一息ついたりできる情報を届けたい。紙として身近な場所にあることに意味がある」とし「みんないろんなことを乗り越えてきている。『あなたは一人じゃない』と伝えたくて続けてきたし、これからも続けていきたい」と支援を呼び掛けた。寄付などの救済アクションの詳細はたいようのえくぼホームページ(https://www.taiyonoekubo.com/)まで。
(玉城江梨子)

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