扉に海、壁にはハートやアニメキャラ 中学校の教室がアート空間に

 【南城】とびらには海、壁一面にはカラフルなハート模様とアニメのキャラクターがずらり―。南城市立玉城中学校でこのほど、職員、生徒ら6人が美術室周辺の廊下の壁に「壁画アート」を制作した。職員らは「汚れとペンキのひび割れが目立っていた壁が、美しいアートに生まれ変わった」と喜んでいる。

 今年3月に離任した美術担当の翁長武由教諭(32)が「汚れた壁を、きれいに白く塗ってから離任しよう」と考えたところ、同月に退職した事務職員の仲地真希さん(35)が「美術室の前だからアート空間にしてみては」と提案し、壁画アートに打ち込んだ。その後、翁長教諭の知人で馬天小学校の喜久川稔教諭(45)と在校生の田場文菜さん(14)、エスピノーサ・アンジェラ愛梨さん(14)、泉結菜さん(14)が参加。6人は修了式翌日の3月25日から、休む間もなく色とりどりの壁画アートを制作し、3月30日に完成した。

 翁長教諭はなんじぃのイラストなど南城市をイメージした作品などを描き、仲地さんは紅型をモチーフにした絵柄、喜久川教諭は花の形をシンメトリーに描いた。田場さんは沖縄の海をテーマにイルカやウミガメ、サンゴなどを描き、エスピノーサさんは天使の羽の生えたハートなど、泉さんもハート模様などをカラフルに描いた。

 田場さんは「沖縄の海や自然が好きなので、海の絵を描いた。自分が好きなものが壁に描けるのでうれしい」と笑顔で語った。翁長教諭は「職員と生徒一人一人がそれぞれ思いを込めて作品を完成させた。安心して次の中学校にいける」と壁を見ながらしみじみ語った。

(金城実倫)

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