藤子不二雄Aさん死去 ゆかりの川崎で惜しむ声「楽しい時代が終わった」

漫画雑誌の企画展で連載への思いを語る藤子Aさん(中央)=2018年11月、川崎市中原区の市市民ミュージアム(小林剛写す)

 藤子不二雄Aさんの訃報を受け、川崎市多摩区の自宅周辺では、優しくて楽しい人柄と、作品を愛した住民たちから惜しむ声が上がった。

 近所に住む女性(45)は、合作ペンネーム・藤子不二雄で発表された「オバケのQ太郎」をはじめ「プロゴルファー猿」「笑ゥせぇるすまん」などのアニメを見て育った世代。「楽しい時代が終わった気がする」と声を落とすが、「(1996年に亡くなった)藤子・F・不二雄さんも藤子Aさんも、川崎のシンボル。作品はなくならない」と言い聞かせるように話した。

 女性は1年半ほど前に藤子Aさん宅近くに引っ越した。昨年夏ごろ、自宅に小さい子どもがいるので、藤子さんに「うるさくしちゃってすいません」と話すと、「大丈夫ですよ」と穏やかに、優しく声をかけられた。3カ月ほど前、近所をゆっくりと歩く姿を見たのが最後になった。

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