コスメ、アクセサリー、雑貨など、ユニークなアイデアが満載のローカルブランドに注目してみよう!

ブルックリンの地には、独自のライフスタイルを発信する個性豊かなクリエーターが集まる。コスメ、アクセサリー、雑貨など、ユニークなアイデアが満載のローカルブランドに注目してみよう!(取材・文/中沢絵里奈)


手作り&地産地消がモットー

ローカルブランドの魅力って?

ブルックリン区パークスロープにあるセレクトショップ、ブルックリン・ビューティー・ファッション・ラボ(BBFL)では、今月から「OWN YOUR BEAUTY AWARD 2022」を開催している。同展は、話題のビューティー、アパレル商品の認知を広めることを目的とし、海を越えて厳選した日米の100以上ものサステナブルなプロダクトを展示する企画展だ。

今回のアワードでは、安全で高品質とされる日本製コスメが上位を独占する形となったが、ブルックリンなどローカルに拠点を持つクリエーターによるブランドにも注目が集まった。

出展商品はBBFLギャラリー内で3カ月間展示されている

地域に根付いた物作り

多様な文化が集まるブルックリンには、地域に根付いた創作活動をする若手クリエーターが多くいる。ここ数年はグリーンポイントやブッシュウィックに続き、ベッドスタイにも多くの新進クリエーターたちが移り住み、トレンディーなエリアへと発展。地産地消を掲げ、自宅のスタジオでハンドメード&少量生産される多くのローカルブランドが生み出されている。

「ブルックリンには、環境に配慮しながら地球と共存する生き方を提唱する人たちが自由な発想で生きられる土壌があります。既成概念に捉われず、独自性溢れるビジネスが展開しやすい街なのでは」と語るのは、BBFLクリエーティブディレクターの佐賀関等(さがせき・ひとし)さん。

また、ローカル志向のクリエーターたちはサステナブルな取り組みへの意識が高く、それらを日常にファッショナブルに取り入れられる商品作りが得意なことも、人気の理由だろう。

今回アワードに出展しているローカルブランドをここでチェックしてみよう。


OWN YOUR BEAUTY AWARD 2022

受賞アイテムをチェック!

「ローカルメード」「小ロット生産」「環境配慮」「最新技術」の4つのコンセプトのもと、ビューティー、メディア関係者ら審査員により以下の受賞アイテムが選出された。

ゴールド賞

ライスフォース
プレミアム・パーフェクト・クリーム


シルバー賞

カミツレン
ナチュラル・スキン・ローション

シンピュルテ
ピュア・クレンジング・クリア

フェースコスメティック
プリケアエッセンス・C・3・ボトル・ボックス


ブロンズ賞

セーブミー トーンアップ・UV・クリーム

セトウチT&Kハーブ ハイドレーティング・セトウチ・ハーバル・トナー

アンナチュラリーナチュラル クラリファイ・クレンジング・バーム

楊貴肌(よきはだ) 玉せっけん

メード・イン・アース ハート・ロング・クロース・パッド

ブイ アップサイクル・プラント・ポット

三義漆器 紫翠盃(しすいはい)酒カップ

ティーニー・バターズ・ショップ ティーニー・バター・ジャー

ヘアストーリー ニュー・ウォッシュ・オリジナル

ヒューマンミューズ ドリームスケープ・イグジステンシャル・ドリームス・イヤリング

※ピンクは日本産ブランド、黄色は米国産ブランド


ブロンズ賞

自然由来の肌に優しいボディーバター

ティーニー・バターズ・ショップ

ブルックリンで育ったオカベ・ティーニーさんが2016年から展開するのは、「ティーニー・バターズ・ショップ」だ。アパレルや下着デザイナーとしても活動するティーニーさんは日本人の祖母を持ち、商品作りには日本の影響を多く受けているという。

便利なチューブ型のボディーバターもよく購入される

ブランド創業のきっかけとなったのは、どこを探してもセンシティブな自分の肌に合うコスメを見つけることができなかったからだったとか。ある日、使い残しのボディーバターと手持ちのクリームを混ぜ合わせて手作りしてみたところ、友人や同僚に好評を得た。

ティーニーさんが作るボディーバターは、シアバターなど自然由来の成分のみを使用し、クリーンビューティーを実践している。「品質や機能性にはこだわりを持っています。化学物質は配合せず、安全なので体はもちろん顔にも使えますよ」とティーニーさん。

新フレーバーとして登場した「SAKURA」は、大好きな日本の桜にインスパイアされたという

一番人気の「ティーニー・バター・ジャー」は、旅のお供にも最適な小さなジャータイプで、自身の旅行の経験からインスパイアされた幅広いフレーバーをそろえる。現在はオンラインのみでの販売だが、「近い将来、セフォラやウルタなど常設店でも販売することが目標です!」と教えてくれた。

フレグランス「OKABE人形ドール」はフローラルな香り

Teeny butters Shop
IG: @teenybutters
Web: teenybutters.com

ブロンズ賞

アートのようなイヤリングで心に癒しを

ヒューマンミューズ

ウェアラブルアート(着るアート)として個性的なデザインのアクセサリーを展開するブランド「ヒューマンミューズ」には、眺めるだけでも心が躍る華やかなアイテムが並ぶ。

幻想的な色合いとデザインはアートとしても楽しめる

教育者やコミュニティーオーガナイザーとしての顔も持つオーナー兼デザイナーのカサンドラ・ミナーさんは、大学時代はファッションデザインを専攻していたそうで、コロナ禍の隔離期間中に創作活動を再開。自分自身や友人のために始めた創作が、心の癒しにつながったという。

花柄などバリエーションは豊富。イヤリングの他にネックレスもある

マーブル模様のような美しいデザインは、細い棒状になった何色ものポリマークレー(樹脂粘土)をパスタのように束ねてカットし、オーブンで加熱。焼き上がり加減によって一つとして同じものはない絵柄が出来上がる。「デザインや色のアイデア源は、ここブルックリンのコミュニティーです」とカサンドラさん。

ポリマークレーを用いて一つ一つ手作りしている作業場の様子

「それから、家族や友人もインスパイアをくれる私にとってのミューズたちです。大変な時期だからこそ、アートを通じて平和な時間や喜びを人々に提供できたら」。今後はイヤリング、ネックレス以外の新たなアイテム製作も考案しているというから、今から待ち遠しい。

human muse
IG: @human_muse


安心安全の処方と保湿力に定評あり

ブルックリン・バー・ボディー&バス

2012年創業の手作り天然せっけんやバスアイテムを展開する「ブルックリン・バー・ボディー&バス」は、シンプル、フレッシュ、クリーンをモットーとするボディーケアブランドだ。オーナー兼クリエイターのジョアン・モンタルトさんは、趣味でせっけん作りのクラスに参加したことから同ブランドのアイデアがひらめいたという。ストリート販売から始めたせっけんは今では多くの人に愛用され、ローション、リップ、キャンドル、ハンドサニタイザーなど、商品ラインアップは多岐にわたる。

シグネチャーバーソープは7つの香りから選べる

香料や化学成分を配合する市販のせっけんとは異なり、全てナチュラルで安心安全の処方を実現した濃厚なテクスチャーは、シアバター、オリーブオイル、マンゴーバターなどシンプルな原料で構成。素肌を潤す高い保湿力にも定評がある。「長い時間をかけて完璧な材料、レシピを完成させました」とジョアンさん。

ボディーバターはリッチなのにオイリー過ぎないテクスチャー

現在は自宅のスタジオで製造し、BBFLやオンラインショップで販売を行う。ちなみにジョアンさんはBBFLのディレクターとしても活動し、普段は店頭にも立っているので、近くに立ち寄った際は元気いっぱいのジョアンさんに会いに行ってみるのもおすすめだ。

ココナッツの香りが落ち着くソイ・ワックス・キャンドルも

Brooklyn Bar Body & Bath
IG: @brooklynbarbodyandbath
Web: brooklyn-bar.com


ユーモア満載のフレグランスキャンドル

バージン・オン・ファイヤー・キャンドル

「Heavily Tattooed Bartender」「Shut Up! Let Teachers Teach!」「Get Off My Lawn」など、過激で思わずクスリとしてしまうような少し変わったネーミングのフレグランスキャンドルをそろえる「バージン・オン・ファイヤー・キャンドル」。ブルックリンを拠点に活動するジェシー・レジスさんが2020年6月にスタートし、〝卑屈で欠陥のあるこの世界〟をユーモアたっぷりに表現するキャンドルブランドだ。

ユニークなアイテム名が印象的だ

一番人気は、スモークドハニーとシダーウッドが香る「Fuck It, I’m Buying a Cabin」。「キャビンにこもって全てから逃げ出したい。そんな風に誰もが自暴自棄になることがあるはず。そんな時こそ私のキャンドルで笑ったりアホらしくなったりしてほしいのです」とジェシーさんは語る。

学校の机に頭をぶつけた思い出をウッディーな香りで表現したという「Shut Up! Let Teachers Teach!」

そんなユニークなコンセプトだが、製品は全て信頼のあるサプライヤーから仕入れた100%ソイワックスを採用した本格派だ。キャンドル作りはジェシーさんが独学で学び、丁寧に手作りしているという。今やサステナブルなキャンドルとしても注目され、現在国内50州と9カ国で販売。今回のアワード出展を機に、日本への販売にも力を入れるというから要チェックだ。

オリジナルキャップはギフトとしても人気

Virgins On Fire Candle Co.
IG: @virginsonfirecandleco
Web: virginsonfire.com

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