工場立ち入り検査結果 対象30件おおむね良好 上越地域消防局 防火管理消防設備 避難訓練など不備も

 上越地域消防局は2月11日に村上市の三幸製菓(本社・新潟市)荒川工場で発生した火災を受け、管内で実施した工場立ち入り検査の結果を公表した。それによると、防火管理体制と消防設備などの維持管理はおおむね良好だったが、一部で報告漏れや不備などがあった。同消防局は継続指導に当たるという。

 検査対象は製菓や食品加工など今回の火災と類似した業種で、敷地面積1000平方メートル以上の工場など。上越、妙高両市で計30件が該当し、2月18日から1カ月間、「防火管理」「消防用設備」「避難経路」の3項目について検査をした。

 実施結果によると、防火管理については防火管理者、消防計画、火気設備に違反はなかった。一方で年1~2回の実施が義務付けられている避難訓練の未実施、回数不足が2件あった。

 消防用設備では点検報告未実施が2件、火災探知機が作動しないなどの不備事項が8件確認された。

 避難経路では避難用階段の老朽化など、構造不適の違反が1件あり、関係者から建築部局に照会中という。

 上越地域消防局予防課では、2月の火災は夜間に発生し停電となり、避難訓練に参加していないアルバイトを含む6人が死亡したことに触れ、「もしもの時に備え、全員で年に1度は避難訓練を行うよう、しっかりと呼び掛けていきたい」と話した。

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