オミクロン派生型「BA・2」5割超に置き換わり 栃木県内、感染者リバウンド傾向

本県の年代別新規感染者数の比較

 新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」の解除から約2週間が経過する中、県内の新規感染者数の高止まりが続いている。感染力が強いとされるオミクロン株の派生型「BA・2」の割合は7日までに5割を超え、若い世代の感染者数が特に増加している。県は10日までを「感染再拡大防止徹底期間」として県民に注意を呼び掛けていたが、感染再拡大の兆しが見られる中、8日に対策本部会議を開いて今後の対策を協議する。

 7日の新規感染者数は718人で、2日連続で700人を超えた。直近1週間(1~7日)の新規感染者数は4401人となり、前週の4249人、前々週の3405人を上回る。

 高止まりの要因の一つがBA・2の拡大だ。ゲノム解析した検体のうち、BA・2が占める割合は3月14~20日の週は全体の33%、21~27日の週は51%にまで上昇した。

 重点措置が解除された3月22日から今月6日までに発表された新規感染者の割合を年代別にみると、10歳未満が最多で20%。10代16%、20代13%、30代17%で30代以下が全体の6割以上を占める。40代は15%、50代が8%。一方、60代以上は1割に満たない。

 同課は「年代別のワクチン接種率と感染者数に逆相関の関係が見られる」と分析する。65歳以上のワクチン3回目接種率は対象人口の84.5%に達したのに対し、20、30代は1割台、40代は2割台、50代は3割台にとどまる。

 一方、第6波のピークの2月中旬に4割を超えた病床使用率は現在、20%台前半に下がっている。同課は「重症化リスクの高い高齢の感染者が減り、病床の逼迫(ひっぱく)度は軽減されてきた」と説明する。

 県は新規感染者数と病床使用率の推移などを踏まえ、8日の対策本部会議で今後の対策を協議する。県民への呼び掛けや、若年層へのワクチン接種の促進などについての対策を決める方針だ。

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