世界文化遺産「巡礼の道」歩く参考に 長崎県、説明板や道標を設置

巡礼の道のスタート地点に設置された説明板=平戸市、平戸港交流広場

 長崎県は、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」構成資産を訪ね歩く「巡礼の道」ルート上に、説明板と道標を設置した。巡る途中の景観など、みどころを詳しく紹介したルートブックもウェブ上で公開している。
 巡礼の道は昨年3月、県が設定した。平戸市崎方町の平戸港交流広場から、長崎市南山手町の大浦天主堂まで、長崎県14市町と熊本県2市町に及ぶ総距離約468キロ。5エリア、35コースに分かれ、順番にこだわらずどこからでも歩ける。
 説明板(高さ2メートル、横約2メートル)はスタート地点の平戸港交流広場に設置し、全体と平戸エリアの地図を表示。石製の標柱(高さ1.2メートル、幅15センチ)は各エリアの起点・終点の4カ所(平戸市津吉、五島市福江港、長崎市神浦、雲仙市千々石)に立てた。各コースの起点・終点にある施設やバス停など38カ所にステッカーを、既存の観光標識など100カ所に目印シートをそれぞれ貼った。いずれも教会のマークがデザインされている。
 ルートブックは、巡礼の道の公式ホームページ「おらしょ こころ旅」に掲載した。全191ページ。コース別の地図に加え、歴史や風景、お薦め観光スポットなどの情報を盛り込んだ。グーグルマップ上にルートや名所を表示したコースガイドも同ホームページから閲覧できる。
 県文化振興・世界遺産課は「島々や半島の自然や文化的景観も感じてもらえるルート。来年は世界遺産登録から5年の節目。人々に再び興味・関心を持ってもらい、歩く旅の参考にしてほしい」としている。


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