大塚氏と広田氏、激しく競る 無党派層の取り込み鍵 益子町長選

町長選に立候補を届け出た広田茂十郎氏、大塚朋之氏(左から)

 【益子】任期満了に伴う町長選は10日の投開票日まで残り2日となった。いずれも無所属で、元町議会議長で前町議の新人広田茂十郎(ひろたもじゅうろう)氏(67)と、5選を目指す現職大塚朋之(おおつかともゆき)氏(56)の一騎打ちは終盤戦を迎え、両氏が激しく競る展開が続く。大塚氏は知名度や現職の強みを生かして勝ち切りたい考えで、広田氏は批判票のさらなる積み上げを図る。

 大塚氏の支持には、地元選出の岩崎信(いわさきまこと)県議のほか、町議(定数16、欠員1)15人中、8人が回った。新型コロナウイルス禍のため前回町長選で開催したミニ集会はできなかったが、各自治会へのあいさつ回りは町内ほぼ全域で済ませた。

 ただ、広田氏は前回、大塚陣営の選対幹事長を務めただけに、陣営幹部は「相手側はこちらの手の内が分かっている」と警戒感を強める。

 昨年12月に出馬表明した広田氏は、地元の田野地区の支持者を中心に、手弁当での運動を展開している。町議7人が支援しており、町議の支持数は、ほぼ互角といえる。

 陣営幹部は「手応えはある」と感じているが、全町的な組織がない分「現状としては(どこまで迫っているか)分からない」。広田氏は「町民の声が届いていない」と訴え、批判票の取り込みを目指す。

 保守系の分裂選挙となった今回、関係者は、投票率は60%前後とみている。両陣営とも会員制交流サイト(SNS)で情報発信をしており、投票行動に結び付くか、若年層を含めた投票率にも注目が集まる。

 両氏とも町内全域で票の獲得を進めるが、それぞれの地元を固めた上で、無党派層をどれだけ取り込めるかが、勝敗を分けそうだ。

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