キャンピングカー自作は素人でもできる!中古キャラバンの内装を車中泊仕様にDIYしてみた

自作キャンピングカーで日本一周中のハナユウカです!今回は約40万円で購入した中古の日産キャラバンでキャンピングカーを自作した方法を、前後編でお伝えしていきます。前編となるこの記事ではキャンピングカーの壁や座席など、基本的な内装のDIY方法をご紹介。これから中古車でキャンピングカーを自作しようとしている方はぜひ参考にしてください!

素人でも手作業で自作できる?座席をすべて取り外して本格的なキャンピングカーにする方法

筆者撮影

筆者が購入した日産キャラバンは、座席を倒しただけではフルフラットにならず、車中泊には向かない車でした。

もし、キャラバンのように座席がフルフラットにならない車種で本格的なキャンピングカーを作るなら、座席をすべて取り外す必要があります。

しかし、車によって座席のつき方が違うので、素人の知識だけで座席を取り外すのは難易度が高いです。ですので、車の構造に詳しい人に見てもらいながら取り外すのがおすすめ

筆者も車に関してはまったくの素人なので、車の構造に詳しい友人と一緒に座席を取り外しました。

座席を取り外すための工具セットを用意しておこう!

座席を取り外すときには工具セットが必要になります。特に、ソケットレンチ・モンキーレンチ・ニッパー・六角レンチは必要になるため、事前に揃えておきましょう。

車体には様々な大きさのネジが使われているので、ソケットレンチや六角レンチは色々なサイズを揃えておくと便利です。

座席を家庭ゴミとして捨てるのはNG!

筆者撮影

取り外した座席は基本的に産業廃棄品になるので、家庭ゴミとして捨てるのは違法です。

自治体によっては、座席を「鉄」「布」などの状態にまでバラバラに分解して、危険物のない状態にすれば燃えないゴミとして捨てられるケースもあるようです。

しかし、自治体によって決まりが異なるほか、バラバラにするのは結構大変。不用品回収業者に有料で引き取ってもらうか、まだ使用できそうな状態であればリサイクルショップで売却するなどして処理しましょう。

キャンピングカーを自作するうえで最も重要!壁の断熱をしっかりして快適な居住空間にしよう

キャンピングカーを自作するうえで最も重要なのが車の壁の断熱です!なぜなら、断熱がしっかりされていないと、車内が暑すぎたり寒すぎたりして快適に過ごせない状況になってしまうから。

ここからは、しっかりと断熱をするための工程をお伝えしていきます!

天井や床などすべての壁をまっさらな状態に!

筆者が購入した中古の日産キャラバンは2005年式。元々車の壁に入っている断熱材が相当古くなっていたので、古い断熱材をすべて取ることからスタートしました。

筆者撮影

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天井の断熱材を取るために、カバーをビリビリに裂いていく作業をしました。普段やらない作業なのでストレス解消になりました!(笑)

カバーを裂くと中から古い断熱材と一緒に埃が出てくる可能性があるので、必ずマスクをつけて作業しましょう

床や側面の壁には、座席を固定するネジや金具などが埋め込まれていることがあります。ネジや金具を見つけたら、工具を使って全部取ってしまいましょう。

壁をまっさらな状態にした後は、ほうきや掃除機を使って車内を掃除します。仕上げに壁を雑巾で綺麗にするとさらに断熱しやすくなりますよ。

制振シートで防音対策!

断熱をする前には、天井に制振シートを貼るのがおすすめ!

制振シートとは、振動によって発生する騒音を低減させる効果を持つ、シート状の制振材です。

普段車に乗っているだけだとさほど気になりませんが、車中泊をするとなると、車内にいる際に雨音が気になるケースが少なくありません。制振シートを貼っておくと雨音が軽減されるため、「就寝するときに雨音がうるさくて寝れない…」という事態を防げますよ。

筆者は30cm×20cmサイズの制振シート4枚セットを購入し、制振シートを適切な大きさに切ってから等間隔に天井に貼りました。

目安としては、30cm×70cm四方あたり1枚の制振シートを貼るといいです。さらに効果を高めたければ、30cm×50cm四方あたり1枚を目安にしてみましょう。

断熱コートと断熱材で快適な居住空間作り!

筆者のキャンピングカーは、断熱コートと断熱材の2種類を使って断熱をしています。

断熱コートも断熱材も、どちらも断熱性能を持つ素材ですが、この2つを併用することでより高い断熱性能を持たせられるのです。

最初に断熱コートを塗っていきます。

断熱コートは白いペンキのような液体で、ローラーを使用して壁全体にまんべんなく塗っていきます。

筆者撮影

断熱コートを塗る前には、必ず窓枠を養生テープでカバーしましょう。そのまま塗ってしまうと、窓枠まで白くなってしまいます。

筆者撮影

2〜3回重ねて塗っていくとより断熱の効果が期待できますが、断熱コートが乾くまでに半日程度かかる点には要注意…。

完全に乾いたら、養生テープを外してください。

ちなみに、筆者は断熱コートを10kg購入し、3回塗りすることができました。

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断熱コートが服についてしまったら洗濯をしても落ちないので、汚れてもいい服を着て作業してくださいね。筆者は不器用なので服がかなり汚れてしまいました…。

また、手についた断熱コートもその日のうちにお風呂で洗い流さないと、手にこびりついてしまうので注意してください!

▼断熱コート

▼ローラー

断熱コートを塗り終わったら、断熱材を壁につけていきます!

筆者撮影

断熱材にはさまざまな素材があり、特に代表的な素材の特徴やメリット・デメリットが異なります。

それぞれ特徴・メリット・デメリットが異なるため、一概にどの素材がいいとはいえません。予算とも合わせて検討してみてください。

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筆者のキャンピングカーでは、友人から譲ってもらったポリエステルの断熱材を使用しています。

断熱がしっかりされていて、冬はヒーターをつけなくても外より10℃ほど暖かいです。ただ、生活に支障が出るほどではないのですが、防湿層がないので窓が結露しやすいです…。

断熱材を壁の面積に合わせて切り、壁の側面と天井につけていきます。筆者は強力両面テープでくっつけていきました。

筆者撮影

壁の側面に断熱材をつけるときは、風が通りそうな箇所を断熱材で埋めていくようにすると隙間風を防ぐことができます。

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天井につけるときは強力両面テープでもなかなかくっつかなかったので苦戦しました…。最低でも2人以上で作業しないと天井に断熱材をつけるのは難しいかもしれません。

木材によって雰囲気が変わる!自作キャンピングカーの内壁作りのポイントを解説

自作キャンピングカーの内壁は、木材で作ると比較的安価かつ手軽、そしておしゃれに仕上がります。

ただし、キャンピングカーの内装の雰囲気を決めるのは木材といっても過言ではありませんので、木材選びは慎重に行う必要があります。

そこでここからは、木材の選び方や内壁作りのポイントを解説していきます。

事前に車の壁・天井・床の面積をしっかり測ろう!

木材を購入する前に、車の壁・天井・床の面積をメジャーでしっかり測りましょう。

面積を測ることで必要な木材のおおよその大きさがわかります。

ただ、実際に木材を購入するときは、実寸したよりも大きめの木材を選んでください

ぴったりサイズの木材を購入してしまうと、万が一足りなかったときに木材のつぎはぎが難しくなります。

慎重に木材を選んで購入しよう!

一口に「木材」と言っても、色々な種類があります。

予算によって使用できる木材の種類は変わってきますが、筆者は予算を少なく設定したので、最低限のクオリティの木材を購入しました。

どんな色や触り心地がいいのかを考えた上で、ご自身の予算に合わせて木材を選んでください。

ちなみに、キャンピングカーとして車検を通す場合は、車内高さの規定があります。

「厚みのある木材を選んでしまって、規定の高さを取れず車検が通らなかった…」という事態も考えられますので、木材は慎重に選びましょう。

筆者のキャンピングカーは、天井と側面にはコーティングされた羽目板を選び、床には頑丈でおしゃれなOSB合板を選びました。

筆者撮影

羽目板は長さ3,950mm×横幅97mm×厚さ9mmのものを24枚程度購入。

羽目板にはでぼぼこがついていて、交互にうまくはまってくれるので木のつなぎ目が綺麗になります。

筆者撮影

OSB合板は厚さ12mmのものをホームセンターで3枚ほど購入しました。値段が安いのに頑丈でおしゃれなので、床板にぴったりです。

▼羽目板

▼OSB合板

木材を購入したらそれぞれパーツの大きさに切っていきます!

木材はノコギリで切ってもいいですが、仕上がりがガタガタになってしまいます。

ホームセンターでは有料で木材を切ってくれるサービスがあるので、木材カットサービスを利用するのがおすすめです!

筆者撮影

天井に羽目板をつける前に照明をはめよう!

あとは、用意した木材をひたすらインパクトドライバーで壁にビス打ちしていきます。

ただし、車内にサブバッテリーなどの電気システムを入れる予定の人は、天井に羽目板をつける前に照明を羽目板にはめましょう!

照明をつければ、ランタンを用意しなくてもスイッチひとつで車内が明るくなります。

羽目板に照明と配線を配置するための穴を開け、ビスで照明を羽目板に打ち込んで、配線を通したら完成です!

筆者撮影

照明の電気システムに必要なのは以下の4点!

  • LEDダウンライト:8個
  • 電源分岐ターミナル:2個
  • スイッチングACアダプター:2個
  • DCコネクタつきON/OFFスイッチ:2個

参考までに筆者が自作した際の個数を記載していますが、車内の広さや好みの明るさなどによっても最適な個数は異なるため、ご自身に合った個数を検討してみてくださいね。

▼LEDダウンライト

▼電源分岐ターミナル

▼スイッチングACアダプター

▼DCコネクタつきON/OFFスイッチ

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照明があるだけで一気にキャンピングカー感が増します。暖色系の照明だと暖かい雰囲気白系の照明だとスタイリッシュな雰囲気に!

LED照明を選ぶと光量が強い上に長持ちするのでおすすめです。

最新の注意を払ってビス打ちをしよう!

ビス打ちの際には、注意しなければならないポイントが2つあります。

1つ目は照明などの配線をビスで切らないようにすること。車には照明の配線の他にも意外と多くの配線があるので、細心の注意を払ってください。

2つ目は、ビスを車の外に貫通させないこと。長すぎるビスを選んでしまうと車の壁から貫通し、雨漏りの原因などになります。

筆者撮影

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木材を切る工程やビス打ちは電動の工具を使用して行うので、素人がやると怪我をする恐れがあります。

最初は必ずDIY経験者や車に詳しい人と一緒に作業しましょう!

キャンピングカーの座席とベッド自作は難易度高め?プロに任せるのがベスト!

筆者撮影

筆者のキャンピングカーは、座席が展開してベッドになる仕組みになっています。

キャンピングカーではよく見る構造ですが、この座席とベッドを自作するのはなかなか難易度が高いので、一部をプロにお任せするのがおすすめです。

ここからは、筆者が座席とベッドを自作する際に必要となったものや工程などを紹介していきます!

座席とベッドの骨組み&土台は木材で自作

筆者撮影

座席とベッドの骨組み&土台は、ホームセンターで売っている垂木と針葉樹の合板を使用して自作しました。

垂木とは四角の長い棒状に加工された木材のことで、筆者は正方形の垂木1本3mを12本ほど購入

また、土台に針葉樹の合板を選んだ理由は、シンプルで安かったからです。

土台は後ほどスポンジやカバーに覆われて全て隠れるので、丈夫であれば触り心地があまり良くない板でも構いません。

ただ、ベッドの土台にするので長さは2m以上あるものを購入しましょう。

▼垂木

▼針葉樹合板

骨組み造りはプロに任せるのがおすすめ

骨組み造りは素人にはなかなか難しい工程になります。

知識がないまま骨組みを造ってしまうと、走行中に振動で壊れてしまったり、寝ている間に重さで崩れて怪我をしてしまったりする可能性があります。

筆者撮影

DIYの専門家や家具屋さんなど、木材を扱う専門家に相談しながら造っていきましょう。

筆者は幸いにも知り合いに建具屋さんがいるので、その方にお願いしました。

筆者撮影

木材の加工やあらかたの骨組みさえできれば、あとのやすりがけやビス打ちなどは素人でもできるので、挑戦してもいいかもしれません!

自己判断でキャンピングカーを自作するのは危険!専門家に相談しながらDIYしよう

筆者撮影

DIYの素人がキャンピングカーを自作するときは、自分自身でできることと、専門家の力を借りてやるべきことを分けてDIYに取り掛かりましょう。

ネットだけで調べて偏った知識でDIYすると、せっかく自作したキャンピングカーが車検に通らなかったり、不正改造車になってしまったりする恐れがあります

また、重大な事故につながる可能性もあるため、正しい知識と安全な環境でキャンピングカーの制作に取り組んでみてくださいね!

後編では、自作キャンピングカーの座席とベッドのクッション・キッチン周り・サブバッテリーの自作など、より詳しい内装作りについてご紹介していきます。あわせてチェックしていただけたら嬉しいです!

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