農家の担い手育て、海老名市などが支援センター設立 働きながらノウハウ蓄積

海老名市農業支援センターの作業員として採用された阿部さん=同市中河内

 高齢化が進む農家の後継を育てようと、就農を目指す人を支援する事業が4月から神奈川県海老名市で始まった。市などが設立した一般社団法人「海老名市農業支援センター」(同市勝瀬)が、十分な現場経験がない就農希望者を採用し、作業員として働きながら農業のノウハウを蓄積してもらう仕組み。

 国の農林業センサスによると、同市内の「基幹的農業従事者」は2010年は665人だったが、20年は478人に減少。また市が20年度に農家を対象に実施したアンケート(288戸が回答)によると、「後継者なし」との回答が半数に上り、後継者育成が課題となっている。

 そこで市は今年1月、市農業委員会や地元営農組合とともに同センターを設立、就農相談や就農支援を行う。農業の知識や技術を学ぶ「県立かながわ農業アカデミー」(同市杉久保北)などの卒業生を1年間作業員として採用し、指導者の助言を受けながら市内3カ所の農地でトウモロコシやトマトなどを生産する。

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