西森会長、安倍元総理と懇談=豚肉輸入、特定技能制度など

左から3人目が西森議連会長、安倍元総理、サボイア在日ブラジル大使、蛯原理事長

 訪日中の伯日議員連盟西森ルイス会長が5日、東京の衆議院第一議員会館を表敬訪問し、安倍晋三元総理と懇談した。エドゥアルド・サボイア在日ブラジル大使、蛯原忠男ブラジル日報理事長も同席し、ブラジルからの豚肉輸入解禁や特定技能制度のブラジルへの適用などについて意見交換を行った。

 安倍元総理は歓迎のあいさつと共に「日本とブラジルの友好関係は大変重要なこと」とこれまでの訪伯の思い出を述懐。西森会長も両国の交流の歴史などに触れながら両国の友好国としての重要性を確認した。
 懇談の場で西森会長は、ブラジルでの口蹄疫発生を理由として停止している豚肉の輸入全面解禁検討を依頼。ブラジルでの2年間にわたる口蹄疫予防接種の実績や、公定機関から安全性認可をすでに取得していることを説明した。安倍元総理は「豚肉については日本としても大変必要なものなので前向きに検討したい」と述べ、同席していた外務省南米局長に作業指示を行った。
 加えて、西森会長は「メキシコが環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に入ったように、ブラジルともぜひ自由貿易協定をお願いしたい」と要望を伝え、安倍元総理は「実現に向け、協力は惜しまない」と返答した。
 また、西森会長が推進する日伯間での特定技能制度の適用について、同制度の施行が安倍元総理の在任期間中であったこともあり、安倍総理は「ブラジルも制度適用国にしたい」との意向を示し、両国間での制度導入に向け、関係各省に連絡を行うと述べた。
 四世ビザ問題や、在日伯人子弟の教育問題についても議論し、解決に向けて協力することを確認して、約30分間の懇談は終了した。同席した蛯原理事長は「時間としてはわずかだったが、意義深い意見交換が行えた」と述べた。
 サボイア大使は、安倍元総理のブラジルに対する厚情に対し礼を述べ、来月で大使交代のため帰国すると報告。安倍元総理も、これまでの大使の活躍に対し礼を述べた。

© BRASIL NIPPOU