コロナ治療薬開発へ特許取得 長崎大など アミノ酸「5-ALA」

 長崎大は8日、天然アミノ酸「5-アミノレブリン酸(5-ALA)」を用いた新型コロナウイルス感染症の治療、予防に関する特許を取得したと発表した。製薬会社ネオファーマジャパン(東京)との共同研究。治療薬の本格開発に向け大きく前進した。
 5-ALAは人体の中でもつくられる成分。がんの検出剤や薬剤のほか、健康食品や化粧品、飼料にも活用されている。同大と同社は、一定濃度以上の5-ALAが試験管内で新型コロナウイルスの増殖をほぼ完全に抑えることを確認。昨年2月に公表した。
 今回取得したのは、既知の物質に新しく見いだされた使い方に与えられる「用途特許」。これまでコロナ患者50人に投与し治療効果を調べる特定臨床研究を終えた。今後、治験段階に進んでデータをさらに蓄積し、性別や年齢に応じた最適な投与量などを探る。
 同大大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科長の北潔教授は「5-ALAはコロナの感染予防にも有効なことが予想され、クラスター(感染者集団)の拡大防止にも役立ちそうだ。特許の取得で、治療薬開発に必要な公的な補助金や民間投資が呼び込めるようになる」としている。


© 株式会社長崎新聞社