大谷ルール

© 株式会社長崎新聞社

 五回表の守り、投球数はちょうど80球。9個目の三振を奪ったところで、監督が投手交代を告げた。力投をねぎらう歓声に送られてマウンドを後に…。昨年と違っているのは、その後も「打者・大谷翔平」の出番が続くこと▲米大リーグでは今季から、打順に入っていた投手が降板後も「指名打者」として試合に出場し続けることができるようになった。昨日の開幕戦で早くもこのルールが発動した▲「もっとオオタニが見たい」-全ての野球好きの思いがそのまま新ルールになった。大谷選手のほかに、このルールでゲームに臨む投手は今のところ想定されていないというから、文字通りの「大谷ルール」だ。日本生まれの二刀流が米球史を書き換えた▲初めての開幕投手、初球の球速は160.5キロを記録した。最初の守りが終わると慌ただしく身支度を整え、先頭打者の打席へ。当たり損ないの内野ゴロで一塁に全力疾走、本塁打が出れば同点の場面で大飛球。どんなプレーも絵になる▲初白星も初安打もお預けでは「上々の滑り出し」とは言い難い-と感じるのは、きっと昨季の大活躍が私たちを“欲張り”にしてしまったからだ▲「大谷翔平の全盛期を知っている」…少し先の未来では自慢のタネになっているだろう。そんな野球の1年が今年も始まった。(智)