医療オリンピックC―1最優秀「刺鍼王」 佐世保の末永さん 九州初の快挙

医療オリンピックCー1の決勝大会で「刺鍼王」に輝いた末永さん=佐世保市、こころ佐世保鍼灸治療院

 全国のはり師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師などが医療の技術・知識を競う「医療オリンピックC-1」の2022年決勝大会で、長崎県佐世保市の鍼灸(しんきゅう)師、末永昂志郎さん(24)が、はりを刺す速度と正確さを競う部門で最優秀の「刺鍼王」に輝いた。九州で初の快挙。
 同大会は、医療知識・技術の向上を目的に03年から整骨院振興協同組合が主催し19回目。刺鍼王、矯正王など5部門に分かれ、地区大会の各部門優勝者などが決勝大会に駒を進める。
 本年度の決勝大会は3月に東京で行われ、全国から43人が出場し、刺鍼王には13人が参加。90秒以内に片手で10本のはりを指定された場所に刺し、刺した深さや角度などの正確さ、速さを競った。
 末永さんは同市出身。幼少期から視力が低かったため、視力を失っても継続できる仕事をと鍼灸師などを目指すように。医療系の専門学校を卒業後、開業を経て昨年12月から同市大野町の「こころ佐世保鍼灸治療院」に勤務している。
 同大会のことは専門学生時から知っていたが「ハードルが高すぎる」と出場は断念していた。しかし、経験を積み、昨年3月に同大会の配信を見て「今ならいけるかもしれない」と思い挑戦を決意。「日本一の技術を持てば患者さんも安心して施術が受けられる」と、スポンジを使ってはりを迅速にかつ的確に刺す練習を始めた。大会当日も直前まで練習を続け、初出場で「刺鍼王」の称号を勝ち取った。末永さんは「家族に良い報告ができるとほっとした。練習したことが結果につながって良かった」と喜びを語る。
 あん摩マッサージ指圧師の資格も持つ末永さんは、同大会の九州地区大会「矯正王」に出場し、最優秀の「地区大会優勝者」にもなっている。施術では「患者さんの声に耳と心を傾け、痛みの原因にたどり着けるよう心がけている」と言う。「今後も知識と技術を高めて、患者さんに安心してもらえるサービスを提供したい」と笑顔を見せた。


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