朝食を抜くと体重が増えて筋肉量が減る?名古屋大学が発表

 名古屋大学の研究グループが、朝食を抜いた場合に体重が増え、しかも筋肉量が減る可能性があることを解明したと論文で発表した。原因として、朝食を食べないことで各臓器の「体内時計」が狂うことが挙げられるという。研究グループでは、朝食は子どもには適切な栄養補給、大人にはメタボ予防、高齢者にはフレイル予防など多くの効果が期待できるとしている。

朝食を抜くと臓器と筋肉の「体内時計」が狂う?

 研究グループによると、今回マウス実験で、活動期の最初の 4 時間を食べさせないようにして「朝食を摂っていない状態」にさせたグループと、朝食を摂っているグループの体重変化を比較した。その結果、 前者のほうでは脂肪組織重量が増加し、体重増加もみられた。

 研究グループはこの要因として、体温や肝臓や脂肪組織での時計に異常が生じたためであることを突き止めた。また同時に筋肉重量の低下が起こることも初めて見出したという。こちらについても、筋肉の時計の異常によるものと考えられるとしている。

 これらの結果から研究グループでは、朝食を抜くことが脂肪組織増加による体重増加だけでなく、筋肉萎縮をもたらすことが明らかになったとしており、朝食は子どもには栄養補給、大人にはメタボリックシンドロームの予防、高齢者にはロコモティブシンドローム、サルコペニアの予防に役に立つ可能性があるとしている。

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