歴代カローラシリーズ珍ラインナップ3選!かつてはミニバンにハイトワゴン、4ドアクーペが存在した

2021年9月に発売開始し、現在も高い人気を誇るトヨタ カローラシリーズ初のクロスオーバーSUV「新型カローラ クロス」。今回はそんなカローラシリーズの長い歴史の中から、過去に存在していた珍しいモデルを振り返る。

トヨタ 新型カローラ(セダン) S[FF]

4ドアハードトップのエレガント過ぎるカローラ「カローラセレス」

トヨタ カローラセレス

まず最初に紹介するのは、1992年にデビューしたトヨタ カローラセレス。

セダンでありながら、全高の低いハードトップスタイルがスタイリッシュだとして当時人気となった4ドアハードトップは、1980年代後半にカリーナEDがブームの火付け役だった。そんなカリーナEDも代を重ねるごとに大型化が顕著になり、3ナンバーサイズの3代目カリーナEDが登場する前年に、その穴を埋めるべくリリースされたのがこのカローラセレスだ。

7代目カローラがベースとなったカローラセレスだが、エクステリアはカリーナED風の横長のヘッドライトとなり、内装もカローラとは異なるインストルメントパネルなどが採用されていた。

またカローラに設定されていた1.3Lエンジンは用意されず、カローラよりもやや上級なポジションとなっていたが、すでに4ドアハードトップブームは下火となってきており、ベースとなったカローラがフルモデルチェンジを実施してもモデルチェンジされることがなく、1999年で絶版となった。

シエンタの先輩格、超コンパクトミニバンの「カローラスパシオ」

初代カローラスパシオ

続いて紹介するのは、1997年1月にカローラシリーズ初の3列シートミニバンとして登場したカローラスパシオ。

8代目のカローラがベースとなったスパシオは、ホイールベースこそカローラと共通となっていたが、全高を高めて室内空間を稼いでいた。

デビュー当初は2×3列シートの6人乗りとなる「2-2-2」仕様のほか、4人乗りの「2-0-2」仕様も設定。これは文字の並びからも分かるように3列シートの2列目シートを省いて4人乗りとしたもので、後部座席はリムジン並みの広大な足元スペースを実現していた。

ただ、この2-0-2仕様は使い勝手が悪かったのか、のちに3列目シートを廃した5人乗り「2-3」仕様も追加されている。

2代目カローラスパシオ

2001年には2代目へとフルモデルチェンジを果たすが、2代目は全車3列目シート車となる。ただ、3列目シートはエマージェンシー用といった状態で、3列目シートを畳んだ状態のトールワゴンとして使用されることを想定していたようだ。

結局、よりコンパクトな3列目シート車のシエンタが登場したことでカローラスパシオの役目は終了したと判断され、2007年をもって生産を終了している。

ルーミーよりも早かったハイトワゴンのカローラ「カローラルミオン」

カローラルミオン

最後に紹介するのは、2007年に登場したハイトワゴンのカローラルミオン。カローラスパシオをハイトワゴン的に使用していたユーザーの受け皿という役割も持っていた。

カローラルミオンは海外向けのカローラのプラットフォームがベースとなっており、カローラシリーズとしては初めての3ナンバーサイズ(全幅)となっている。ホイールが5穴仕様となっているのもその影響だった。

なおこのカローラルミオン、北米市場では若者向けに立ち上げられたサイオンブランド(現在は消滅)からxBとして販売されており、北米市場ではbBの後継車種という位置づけとなっていた。またオーストラリアではルークスという名前で販売されていたが、当然ながら日産 ルークスとは無関係である。

そんなカローラルミオンではあるが、カローラであるにもかかわらず3ナンバーサイズであることと、カローラスパシオの後継というポジションを担っていながらも全高が大きく下げられていることなどもあって販売面では苦戦。

bBのようにカスタマイズのベースとしても期待されていたが、車両価格がやや高めだったことも災いし、2015年をもって終売となり、後継車種も登場しなかった。

ここまでカローラシリーズの長い歴史の中から、過去に存在していた珍しいモデルを振り返ってきた。直近では、カローラのハイパフォーマンスモデル「GRカローラ」が北米で発表されるなど、現在も様々な展開を繰り広げるカローラシリーズ。今後もその動向から目が離せない。

[筆者:望月 達也(MOTA編集部)]

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