全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第3戦富士は平良響が“有言実行”の初優勝

 4月10日、静岡県の富士スピードウェイで全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第3戦の決勝レースが行われ、3番手グリッドの平良響(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)がスタートを決め嬉しい初優勝。2位は木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)、3位は野中誠太(PONOS Racing TOM’S 320)となった。

 午前に行われた第2戦に続き、この第1大会の最後のレースとして行われた第3戦。4月9日の第1戦の順位でグリッドが決まるが、第1戦ウイナーの野中がポールポジション。木村が2番手、3番手に平良がつけた。4番手には第2戦ウイナーの小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)が並んだ。

 夕焼けがさすなかで迎えたスタートでは、朝の第2戦後の記者会見で「スタートで2台を抜いてトップに立ちたい」と語っていた平良が有言実行。第1戦、第2戦ともスタートで2台抜きをみせていたが、今回も抜群のスタートを決め一気にトップに立つ。これに続いたのは木村で、野中は3番手に。4番手に小高、さらにその後方では菅波冬悟(Byoubugaura B-MAX Racing 320)、平木玲次(HELM MOTORSPORTS 320)と続いた。一方、8番手スタートだった平木湧也(HELM MOTORSPORTS 320)はストール。最後尾となった。

 悲願の初優勝に向けてリードを築きたい平良は少しずつ木村、野中とのギャップを築きにかかる。一方、第1戦のスタート直後に接触しレースを終え、最後列スタートだった太田格之進(HFDP WITH TODA RACING)と川合孝汰(Rn-sports 320)は序盤からグイグイと順位を上げていった。またトップ争いの後方で好走をみせていたのは、専有走行で速さをみせていた菅波。小高をかわし4番手に浮上した。

 一方、小高の背後からは、太田、そして平木玲次をかわしてきた川合らのバトルに。太田は小高をTGRコーナーでかわし先行すると、終盤には小高と川合の白熱のバトルが展開されていった。そんな2台のバトルは14周目のTGRコーナーからコカ・コーラ・コーナーへの駆け引きで決着。川合がオーバーテイクを決めた。

 トップの平良は木村とのギャップを2秒ほどに築き、最後は2.964秒差でフィニッシュ。2021年には苦しいシーズンを送ってきたが、ついに悲願の優勝を成し遂げ渾身のガッツポーズをみせた。2位は木村、3位は野中という結果に。これで第1大会は全戦TOM’S勢が制したが、すべてウイナーが異なる結果となった。

 4位は菅波、5位に太田、6位は1ポイントをもぎとった川合となった。マスタークラスは、第2戦同様の2台のバトルを制し、DRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)が今田信宏(JMS RACING with B-MAX)を振り切り連勝を飾った。

※追記:レース後、菅波は複数回の走路外走行のためペナルティが課され、太田が4位、菅波は5位となった。

スーパーフォーミュラ・ライツ第3戦富士 スタート
平良響(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)
木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)
小高一斗(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)を先頭とした争い
スーパーフォーミュラ・ライツ第3戦富士 表彰台
DRAGONと今田信宏のバトル
平良響(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320)

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権

第3戦富士 決勝結果

Pos. No. Driver Car Engine Laps Grid

1 38 平良響 Kuo モビリティ中京 TOM’S 320 トムスTAZ31 15 3

2 1 木村偉織 HFDP WITH B-MAX RACING スピースA41 15 2

3 35 野中誠太 PONOS Racing TOM’S 320 トムスTAZ31 15 1

4 50 菅波冬悟 Byoubugaura B-MAX Racing 320 スピースA41 15 5

5 2 太田格之進 HFDP WITH TODA RACING スピースA41 15 12

6 10 川合孝汰 Rn-sports 320 スピースA41 15 13

7 37 小高一斗 Kuo モビリティ中京 TOM’S 320 トムスTAZ31 15 4

8 63 平木玲次 HELM MOTORSPORTS 320 東名TB14F3 2020 15 6

9 36 古谷悠河 Deloitte. HTP TOM’S 320 トムスTAZ31 15 7

10 62 平木湧也 HELM MOTORSPORTS 320 東名TB14F3 2020 15 8

11 30 DRAGON(M) TEAM DRAGON B-MAX 320 スピースA41 15 12

12 4 今田信宏(M) JMS RACING with B-MAX スピースA41 15 11

13 11 植田正幸(M) Rn-sports 320 スピースA41 15 9

天候:晴れ 路面:ドライ
ファステストラップ:平良響(Kuo モビリティ中京 TOM’S 320) 1’34.196 14/15

© 株式会社三栄