少年野球にも“あったら便利”な守備用手袋 「生みの親」が教える効果と選び方

少年野球にも“あったら便利”な守備用手袋の選び方

「ベースマン」飯田橋本店のジュニアフロア店長がメーカーに製造依頼

少年野球を始める時、野球経験のない保護者は必要な用具の数に驚く。グラブやバット、ユニホーム、帽子などは必須だが、あったら便利なアイテムのひとつが「手袋」だという。ジュニア向けの守備用手袋がつくられたのは約20年前。メーカーに最初に提案した野球用品専門店「ベースマン」飯田橋本店のジュニアフロア店長が、選び方のポイントと使用する効果を解説する。

東京都新宿区にある「ベースマン」飯田橋本店は、2階がジュニア専用フロアとなっている。専門店ならではの品ぞろえで、あったら便利な用品も数多く並んでいる。バットやグラブなどの基本用品に加え、春成浩一ジュニアフロア店長がすすめるのが守備用手袋。一番のメリットはにおい対策にある。

寒い日に手袋をすると手に汗がにじむように、屋外でグラブを付けて練習や試合をすれば、手に汗をかく。夏場は、なおさらだ。グラブは洋服のように洗えないためにおいが残りやすいが、守備用手袋をしていれば汗が直接グラブにつかない。また、革でできているグラブは水気が大敵。水を吸ってしまうと劣化につながる。

もうひとつのメリットは、衝撃の緩和。手袋にはショックを吸収するパッドが入っているものが多く、捕球した際の衝撃を抑えられる。

今では一般的になったジュニア向けの守備用手袋。元々は、高校生以上が使う一般用しかなかった。ジュニア用をメーカーに提案したのは、春成ジュニアフロア店長だったという。高校生らから「守備用手袋をつけてから、グラブの臭いが気にならなくなった」「捕球の感覚が変わると思って抵抗があったが、実際にはめると全く違和感がない」といった高評価を聞いていた。

そこで、2001年にジュニア専用フロアをつくった際、「高校生や大人に必要とされているアイテムは、少年野球でも使った方がいいはず」となじみのメーカー担当者に依頼。現在は各メーカーが製造、販売している。

昨今、一般的になった「ジュニア向けの守備用手袋」【写真:編集部】

子どもの成長を考慮した大きめのサイズはNG

手袋は守備用の他に打撃用もあるが、どちらも選び方で大切なのはサイズ。春成ジュニアフロア店長は「今の手の大きさにピッタリして、きついくらいの方が良いです」と話す。子どもの成長スピードを考慮してやや大きめを選ぼうとする人には「たわみがあると滑ってしまうので、ピタッとしたサイズにしないと効果がないです」と説明している。

サイズは小さい方からJS、JM、JLの3種類ある。ベースマン飯田橋本店ではJSが最も売れている。守備用手袋をつけてポジションにつく高校球児やプロのまねをしたい子どもは多い。憧れは技術の向上や競技人口の拡大につながる。(間淳 / Jun Aida)

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