アマミノクロウサギ、伊仙で7年ぶり確認 環境省「定着の可能性」

伊仙町の犬田布岳南側斜面で1月26日午後10時54分に撮影されたアマミノクロウサギ(環境省徳之島管理官事務所提供)

 環境省は11日、伊仙町で約7年ぶりに国指定特別天然記念物アマミノクロウサギの生息を確認したと発表した。犬田布岳(標高約417メートル)の山頂付近と、約700メートル離れた麓より(標高約250メートル)の計2カ所で自動撮影カメラに写っていた。同省は同一個体か別個体かは不明としつつ、「伊仙町で定着している可能性が高まった」とみる。

 昨年7月、奄美大島とともに世界自然遺産となった徳之島での生息域は、北部の天城岳(標高約533メートル)と中部の井之川岳(標高約645メートル)を中心とした天城、徳之島両町エリアとされてきた。

 同省は生息状況を調べるため、2012年度から南部の犬田布岳にもカメラ4台を設置。15年3月に山頂付近で初めて1個体が撮影された。今回は22年1月14日~3月3日に犬田布岳南側斜面の登山道を中心に6台を追加設置。いずれも追加分で、山頂付近は2月1、5日に2回、麓よりは1月14日~2月16日に13回写っていた。

 同省徳之島管理官事務所の福井俊介さん(28)は「登山口付近でネコの姿も確認されている。屋外での放し飼いを控えるなどネコは適正に飼ってほしい」と改めて注意を呼び掛けた。

伊仙町の犬田布岳山頂付近で2月1日午前5時49分に撮影されたアマミノクロウサギ(環境省徳之島管理官事務所提供)

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