国内の竹ビジネスの先駆者として注目 バンブーマテリアル(株)ほか2社が特別清算

※画像は実際の企業と関係はありません

 バンブーマテリアル(株)(TSR企業コード:016426681、法人番号:9330001022282、玉名郡南関町下坂下4668-6、設立2015(平成27)年11月、資本金1000万円、代表清算人:山田浩之氏)と、関連のバンブーエナジー(株)(TSR企業コード:016174038、法人番号:4330001022171、同所、設立2015(平成27)年10月、資本金1億1150万円、代表清算人:岡田久幸氏)、バンブーフロンティア(株)(TSR企業コード:015319288、法人番号:7330001021848、同所、設立2015(平成27)年7月、資本金1億円、代表清算人:津留克也氏)は3月28日、熊本地裁玉名支部より特別清算開始決定を受けた。
 負債は、バンブーマテリアルが28億9100万円、バンブーエナジーが10億2404万円、バンブーフロンティアが6億6546万円(いずれも2021年3月期決算時点)で、3社合計45億8050万円。

 バンブーマテリアルは、民間ファンドや地元企業、大手電力会社などの出資を受けて設立し、熊本県南関町などで伐採された竹を加工して新建材の製造を手掛けていた。グループ3社で包括的な竹資源の活用を目指し、利用が難しい竹を独自技術で利用することで、   新たな地域産業に育成する計画で、2018年2月には敷地面積約4万2900㎡の大型工場を竣工した。
 チップや繊維状に砕いた竹を接着剤と混ぜ、3000トンの圧力をかけて加工する技術で建材の実用を可能にした。板材にした場合、曲げの強さは日本産業規格(JIS)の1.7倍、剥離に対する強さは4.2倍になるといわれていた。
 国内の竹ビジネスの先駆者として、マスコミからの注目も浴びていたが、導入した中国製の製造機械の不調などを要因に生産計画が頓挫。2020年3月期の売上計画31億円に対し、同期の売上高は465万円にとどまり、赤字幅が拡大し債務超過に転落した。
 設備の一部を日本製に交換するなどして本格稼働を目指したが、2020年初旬以降の「新型コロナウイルス」感染拡大の影響で計画通りの受注を確保できず、同年6月以降は工場がほとんど稼働できない状況となっていた。
 地元企業からの借入金を利用するなどして事業継続を図ったが、売上不足が続いたことで資金繰りは逼迫し、2021年2月末をもって事業を停止した。
 バンブーエナジーは、竹チップやバークを活用したバイオマスエネルギーの電力および熱供給を事業目的とし、バンブーフロンティアは、バンブーマテリアルやバンブーエナジーに原料・燃料を供給する役割を担っていたが、事業が本格化する前に資金不足に陥ったことで事業継続を断念し、バンブーマテリアルと同様の措置となった。

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