ニッサン、フォーミュラEパートナーの『e.ダムス』買収を発表。活動をさらに強化へ

 日産自動車は4月12日、ABB FIAフォーミュラE世界選手権に『ニッサンe.ダムス』として、ともに参戦しているレースチーム『e.ダムス』を買収すると発表した。

 ニッサンはe.ダムスとパートナーシップを組み、2018/2019年“シーズン5”からニッサンeダムスとしてフォーミュラEに初めて参戦を行い、2021年3月には、2022/2023年“シーズン9”から2025/2026年“シーズン12”までのフォーミュラE継続参戦を発表している。

 今回のe.ダムス買収は、「ニッサンがフォーミュラEの活動をさらに強化する取り組みの一環」ということで、買収に伴うオーナー変更と新経営体制は同日付けで有効となり、ニッサンフォーミュラEゼネラルマネージャーのトマソ・ヴォルペがe.ダムスのマネージングダイレクターを兼務し、フランソワ・シカールが新たにスポーツダイレクターに任命される。

 今回の買収に、ニッサンの最高執行責任者であるアシュワニ・グプタは「ニッサンの従業員、そして世界中のニッサンファンとお客さまがワクワクしてくれていることと思う」と述べた。

「85年以上前に初めてモータースポーツに参戦したときから、勝利への飽くなき探求心が、つねにニッサンを前進させてきた。私たちはレースへ参戦することで技術的に大きく飛躍し、お客さまにとってより良いクルマを開発するための絶好の機会を得ることができると信じている」

「e.ダムスの買収は、フォーミュラEやエキサイティングでハイパフォーマンスなモータースポーツに対する当社の長期的なコミットメントを示している。私たちはモータースポーツを愛しているが、それだけではない。革新的でワクワクするドライビングを提供し、ゼロ・エミッションで持続可能な社会を実現することへ情熱を注いでいる。今回の買収により、当社の電動化戦略はより一層加速していくことだろう」

 また、ニッサンフォーミュラEゼネラルマネージャーとe.ダムスのマネージング・ダイレクターを兼務することになったヴォルペは次のように語っている。

「ニッサンがe.ダムスを引き継ぐにあたり、あらためて2019年に他界されたジャンポール・ドリオに想いを寄せている。ニッサンとビジョンを共有し、パートナーシップを発展させた彼の意思は、息子であるオリビエ・ドリオとグレゴリー・ドリオに引き継がれた。そのふたりとこれまで一緒に仕事ができたことに深く感謝している」

「私たちは、フォーミュラEはEVが楽しくスリリングであること、そしてニッサンのEV技術が最先端であることをお客さまにお伝えするための最高のプラットフォームであると考えている。2018年にレースに参戦して以降、e.ダムスが蓄積してきた長年のノウハウから多くのことを学んできた。今回の発表を機に新たなスタートを切り、さらに多くの成功と経験を積み重ねていきたいと思う」

 そして、e.ダムス元オーナーであるオリビエ・ドリオ、グレゴリー・ドリオは、「フォーミュラEでニッサンのような世界的ブランドと提携できたことは光栄なことだった」とコメントした。

「そして、これまでともに達成してきたことを誇りに思っている。これからはニッサンが手綱を握り、レースへの参戦を継続していくことになる。情熱的で革新的な企業にチームを引き継ぐことができてうれしく思うし、シーズン8とその先のシーズンでのさらなる成功を祈っている」

ABB FIAフォーミュラE世界選手権に『ニッサンe.ダムス』として参戦している日産自動車

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