「事故多発を懸念」電動キックボード規制緩和に共産田村氏が反対

 12日の参院内閣委員会で、免許不要化など電動キックボードの規制緩和を盛り込んだ道路交通法の改正案が審議された。共産党の田村智子氏(比例代表)は、事故が急増している現状を指摘して「ボード利用者による歩行者への救護もなおざりにされかねない」などと反対した。

 田村氏への警察庁の答弁によると、電動キックボードがからんだ全国での人身事故は2020年に4件だったが、21年は27件に急増。今年も2月までに5件起きている。物損事故も含めた総計では20年10件、21年110件、今年2月までは16件となっている。二之湯智国家公安委員長は「全国の警察を通じ取り締まりを強化し、違反者への講習も徹底する」とした。

 田村氏は昨年9月~今年2月に摘発された違反168件のうち86件が「通行区分違反」とのデータも挙げ、「モラルが徹底されているとは言い難く、歩行者を巻き込んだ事故の多発が懸念される」と指摘。「ヘルメット着用も努力義務に落ちるし、事故を起こした人が救護を怠る心配もある」と改正案を批判した。

 同案はこの日、同委員会で採決され与党などの賛成多数で可決。安全対策への警察などの取り組み強化を求める付帯決議もあわせて可決された。

© 株式会社神奈川新聞社