宮崎県内マンション供給9倍増 新規活況、契約も2倍

 宮崎県内の2021年のマンションの新規供給数は10棟411戸で前年の9.3倍と大幅に増加した。契約戸数も2.3倍の365戸だった。22年1月以降も500戸超の供給が計画されており、今後も堅調に推移することが見込まれる。
 住宅流通新報社(福岡市)の調査で分かった。新規供給は宮崎市9棟と都城市1棟。年末在庫は49戸で、契約率は前年比10ポイント減の88.2%だった。
 新規供給数が最も多かったのは宮崎市松山2丁目の「ザ・レジデンス大淀河畔」。マリモ(広島市)とエストラスト(山口県下関市)による全国初の共同事業で、全125戸が完売した。次いで、いずれも宮崎市の「サーパス宮崎セントマークス」(78戸)、「ブランシエラ霧島」「ブランシエラ神宮の杜」(計72戸)など。
 タイプ別では3LDKが244戸で全体の59.4%を占める。4LDKは94戸(22.9%)、2LDKは73戸(17.8%)だった。
 販売価格は上昇が続く。最多価格帯は3千万~3499万円で172戸(41.8%)。3500万~3999万円も87戸に上り、3千万円台が中心となっている。5千万~5999万円、6千万円以上も各2戸。2600万~2999万円は64戸だった。
 最も供給の多い宮崎市の平均価格は、前年比13.9%増の3472万円。10年前の11年と比べると37.0%(939万円)上昇している。平均面積は75.1平方メートル、平均坪単価は152万円。
 22年以降に予定されている県内新規供給数は530戸。本県初進出となる住友不動産の「シティテラス宮崎」(204戸)、穴吹興産の「アルファスマート柳丸」(109戸)など大型物件も相次ぐ。
 住宅流通新報社によると、この5年ほどはJR宮崎駅周辺や大淀川河畔などの物件が好調なことから、九州全域を視野に入れた分譲事業者が開発を活発化。20年はコロナ禍で供給が落ち込んだものの、「大分駅、長崎駅、熊本駅、鹿児島中央駅近隣での再開発が進み、高い需要が見込まれる土地が減っていることから宮崎市での分譲が集中したのでは」と坂本康行編集部長。
 「(県内では)やや価格が高くても需要が増加しているので、22年は前年並みか増加することが予測される。今後、販売効率が下がれば開発が控えられる可能性もあるので注視が必要」と分析する。

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