神奈川初のどぶろく特区 秦野のNPO「日本一の名水で」 農家レストラン経営、名物に意気込み 

どぶろく造りに必要な酒米「山田錦」を植える田んぼに立つNPO法人四十八瀬川自然村の小野理事長=秦野市柳川

 昨年11月に神奈川県内で初めて国の「どぶろく特区」認定を受けた秦野市で、農家レストランを経営する事業者が酒米作りの準備を進めている。酒類製造に必要な免許を取得次第、事業を本格化させる考えで、関係者は「酒好きが集まって田植えから始めたい。みんなが杜氏(とうじ)となり、日本一の名水を生かして日本一のどぶろくを造り、新たな秦野の名物にしたい」と意気込んでいる。

 「どぶろく特区」は地域活性化を目指す国の構造改革特区の一つ。認定を受けると、農家レストランなどを営む農業者が自ら生産した米を原料にする場合に限り、醸造量が酒税法で定められた年間最低量6キロリットルに満たなくても酒造免許の取得が認められる。

 環境省の名水総選挙で“おいしさ日本一”に輝いた秦野名水をPRしたい市は、2018年から申請に向けて動きだし、昨年4月に要綱を策定。事業者として市内で里山保全活動に取り組むNPO法人「四十八瀬川自然村」が手を挙げ、同NPOの農家レストランを第一号に認定、同11月に県内初の特区認定を受けた。

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