台湾選手から“日本野球”の質問攻め 元ロッテ・チェンが伝えるNPBでの経験

楽天モンキーズのチェン・グァンユウ【写真:球団提供】

佐々木朗希とは連絡取り合う仲「性格もすごくいいし、かわいらしい人柄」

台湾プロ野球で2年目のシーズンを迎えた楽天モンキーズの陳冠宇(チェン・グアンユウ)投手。2020年まで6年間在籍したロッテの試合を今でもよく見ており、今月に史上16人目の完全試合を達成した佐々木朗希投手とはよく連絡を取り合う仲だ。チームメートも日本の野球に興味がある選手が多く、日本で過ごした10年間の経験を伝えている。

2021年シーズンは惜しくも2位に終わったロッテ。「残念でしたね。でも、今年は絶対に大丈夫でしょう」と古巣の優勝を確信する。仲がいいという佐々木朗は、今まで見た中で一番身体の柔軟性がある選手で、日本を代表する選手になると期待している。

「朗希君はすごいですね。身体がとても柔らかい。彼はいつも色々なストレッチをしています。その結果が身体の柔らかさに結びついている。練習をしているときも自分を追い込んで、自分に対する目標を高く持っている。性格もすごくいいし、かわいらしい人柄で、日本を代表する選手になっていくと思います。今シーズンは今まで以上の活躍を期待しています」

台湾のキャンプはオフの度に自宅に帰ってリフレッシュ

モンキーズのチームメートも日本の野球に興味津々。日本のキャンプや練習方法について質問されることが多いという。

「『日本だとキャンプでどんな練習しているんですか?』とよく聞かれます。今シーズンから日本人コーチが3名入ってきたので『日本人のコーチはどういう指導法なんですか?』という質問も受けます。『自分からいろいろ聞いてコミュニケーションを取るといいよ』とアドバイスしています」

昨年7月に入団したチェンは今季、逆に台湾での春季キャンプを初めて経験。日本と最も異なった点は、オフの過ごし方だという。モンキーズのキャンプ地である南部の嘉義市から自宅がある北部の台北市までは車で移動できる距離のため、オフの度に家族に会いリフレッシュすることができたといい、充実したキャンプを送った。

距離は離れても、心はいつも共にある。「日本と台湾、場所は違っても白球を使って勝負しているもの同士、これからも交流していけたら」。そんな願いを胸に、日本の仲間を愛する左腕は、故郷で2年目のシーズンに挑む。(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)

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