アミノ酸「5-ALA」 オミクロンにも感染抑制効果 長崎大など発表

 長崎大と製薬会社ネオファーマジャパン(東京)は12日、新型コロナウイルス感染症の治療薬開発を目指している天然アミノ酸「5-アミノレブリン酸(5-ALA)」について、オミクロン株についても感染抑制効果を確認したと発表した。
 同大大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科長の北潔教授らが研究。8日に国際学術誌に受理された。
 5-ALAは人体内でもつくられる成分。これまで試験管内での培養細胞実験において、一定濃度以上の5-ALAが同ウイルスやデルタ株など4種類の変異株の増殖をほぼ完全に抑制することが分かっていたが、今回の研究では、オミクロン株にも同様の効果があることが明らかになった。
 北教授によると、5-ALAが感染抑制の効果を持つ理由については、ウイルスが細胞に侵入したり細胞内で複製されたりすることを阻害するなど、複数の作用メカニズムが考えられる。今後新たに出現する変異株にも有効である可能性があるという。
 同大と同社は、5-ALAを用いた新型コロナウイルス感染症の治療、予防に関する特許を取得済み。今後治療薬開発に向けた治験に入りたい考え。


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