菅野祐悟…作曲家さ! コナン映画の音楽担当、ハロウィーン感を意識

「劇場版名探偵コナン ハロウィンの花嫁」(c)2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 全国東宝系で15日に公開されるアニメ映画「劇場版名探偵コナン ハロウィンの花嫁」で、高根沢町出身の作曲家菅野祐悟(かんのゆうご)(44)が音楽を担当する。今作で劇場版25作目を数えるなど、根強い人気を博す名探偵コナンシリーズへの参加は初めてで、「歴史があって愛されている作品だからこそ、とても責任がある仕事」と充実感をにじませた。

 NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」を始め、ドラマ「ガリレオ」やアニメ「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」など、数多くのヒット作の音楽を担当してきた菅野。しかし、名探偵コナンへの起用には不安があったという。「コナンにはみんなに愛されている音楽がある。自分が携わることで、変わっていいのか考えた」と明かす。

 それでも「これだけのビッグタイトルを引き受けることは、人生の年表があるなら間違いなく入ってくる出来事。そんな大作に挑戦したいという気持ちが、不安よりも大きかった」と説明する。

 自分が何を求められているのか。どこまでオリジナルの音楽を継承して、どれくらい新しくしていくのか-。そのバランスを取ることが「劇伴作家の宿命」と捉える。オファーしてもらったことを信じ、過去に縛られず、前向きに制作と向き合った。

 今作の舞台は、ハロウィーンシーズンでにぎわう東京・渋谷。曲作りも「ハロウィーン感」をコンセプトにしたという。

 劇場版では、メインテーマ曲が作品ごとにアレンジされている。今作については「デジタリックでクラブミュージックのような感じにしたので、“今っぽい”新しいサウンド感になったと思う」と解説。ただ機械的な音楽にするのではなく、「その中にハロウィーンの持つ温かさを採り入れることを意識した」と話す。

 これまで名探偵コナンシリーズの楽曲を多数手掛ける大野克夫(おおのかつお)からもアドバイスをもらったといい、「大野さんからOKをいただいたのでほっとしている」と顔をほころばせた。

 公開を控え、「もちろん不安はあるけれど、全力は尽くした」。原作コミックが100巻に到達するなど、歴史に厚みを増しながらも、新たな風を採り入れる劇場版名探偵コナンシリーズ。ストーリーはもちろんのこと、音楽にも注目だ。

 ◆菅野祐悟(かんの・ゆうご ) 1977年、埼玉県川越市生まれ。その後、高根沢町に転居し、宇都宮短大付属高を卒業。東京音楽大に入学し、在学中からアーティストへの楽曲提供を始める。2004年放送のドラマ「ラストクリスマス」でドラマ劇伴デビュー。NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」、アニメ「PSYCHO-PASS」のほかドラマ、アニメ、映画など幅広い音楽制作で活躍する。

菅野祐悟

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