「波佐見陶器まつり」29日開幕 “ふるさと納税返礼クーポン”をその場で発行

陶器まつり会場などで使用できるふるさと納税返礼品クーポン=波佐見町、スチームシップ

 長崎県東彼波佐見町は29日に開幕する波佐見陶器まつりの会場で、ふるさと納税をした人に対し、返礼品としてクーポン券をその場で発行する。会場や同町で使え、大型連休中の寄付件数や金額、町内消費の増加につなげたい考え。ふるさと納税業務を請け負う同町の「スチームシップ」によると、九州のイベントでは初の試み。
 同社などによると、寄付1万円ごとに3千円分のクーポン券を発行。会場内や町内の約120店舗で器の購入や飲食などに使える。受け付けは、まつりのメイン会場、やきもの公園(同町井石郷)の特設ブース。発行は5月3日まで。使用期限はまつり最終日の5日。
 同町に寄せられた2021年度の寄付は約8万件、20億円を超える見込みで、いずれも過去最高を更新。寄付者の9割が返礼品として陶磁器を希望しているという。クーポンを活用することで、寄付者にとっては、通常の返礼品リストにはない好みの器を会場で選ぶことができるメリットがある。
 また、同社の調べでは、寄付者の4人に1人は「波佐見町を訪れたことがない」と回答。町などはクーポンの発行で実際に会場に足を運ぶ誘客効果にも期待している。藤山雷太社長(38)は「寄付をして終わりではなく、波佐見に泊まり、食べて、買い物をする交流人口の創出が目的。返礼品を贈る以上の効果を生みたい」と話している。
 クーポン券は、ふるさと納税サイトでも取り扱っている。


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