クロウサギなど補食の恐れ ノネコ124匹を捕獲 過去2番目の多さ 21年度、世界自然遺産の奄美大島

奄美大島と徳之島にのみ生息する国の特別天然記念物アマミノクロウサギ

 環境省は13日、奄美大島の野生化した猫(ノネコ)の捕獲数が2021年度は124匹だったと発表した。前年度の4.5倍で、最多だった19年度の125匹に次いで2番目に多かった。18年7月の捕獲開始後の合計数は319匹。

 20年度の約3.8倍に当たる385平方キロメートルにわなを設置したことから、捕獲数が増えた。わなは22年度は島の68%に当たる483平方キロメートルに、23年度は全域へ広げる予定。

 奄美群島国立公園管理事務所の阿部愼太郎所長は「わなに入らない個体の捕獲など課題もあるが、効果的にノネコの数を減らすため、まずは広い範囲で作業ができる体制を整えたい」と話した。

 ノネコはアマミノクロウサギなど希少動物を補食し、奄美大島の山中に600~1200匹生息していると推定される。

奄美大島の山中に現れたノネコ

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