【MLB】「投手・大谷翔平」進化の理由 “最も出塁が難しい投手”の1人になった要因とは?

エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

平均5イニング→6回2/3イニングへと増加

今年メジャー5年目で初の開幕投手を務めたエンゼルス・大谷翔平投手。MLB公式が「投手・大谷」の進化の理由を分析した。昨年、シーズンが進むにつれて四球の数が大幅に減少したことに注目している。

2021年~2022年の開幕戦までの間、大谷は24試合に登板。これを12試合ずつに分けて比較した。前半の2021年4月4日(日本時間5日)~6月30日(同7月1日)は計60イニングで35四球、四球率(BB%)14%は、30イニング以上投げた投手280人の中で22番目に高かった。

一方で、後半にあたる2021年7月6日(同7日)~2022年4月12日(同13日)は75イニングで15四球、四球率は3%。30イニング以上投げた投手304人の中で6番目に低かった。

四球を避けるという点では“最低クラス”だった投手が“最高クラス”に成長。関連して、対戦相手の出塁率も.322から.254まで下がっている。四球が減ったことで、イニング数も増加。最初の12登板では平均5イニングだったが、後の12登板では6回2/3イニングとなったことにも注目している。

「スプリットとスライダーをより多く投げるようになった」

ではなにが変わったのか? MLB公式は「第一にトミー・ジョン手術後に一番最後に戻ってくるのが制球力だと一般的に考えられている」と言及。前半12登板のストライクゾーン率が45%、後半12登板のストライクゾーン率が46%だったことを挙げ「ボール球が減ったから四球も減ったと思うかもしれないが、実のところそうでもない。オオタニはスプリットとスライダーという打者が思わず振ってしまう球をより多く投げるようになった。その結果、打者のスイング率が上昇した」とした。

最初の12登板のスイング率44%、チェイス率(ボール球のスイング率)25%、一方で残りの12登板はスイング率51%、チェイス率34%。最も大きな違いは「これまでと異なる球種を異なるカウントで投げ、打者に早くからスイングさせていることだ」と導き出した。昨年7月1日(同2日)以降、レギュラー投手で大谷よりも出塁するのが難しかったのはマックス・シャーザーだけ。いかに大谷が難攻不落の投手として立ちはだかっていたかが分かる。(Full-Count編集部)

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