横須賀・走水海岸の潮干狩り 不漁で3年連続中止に 国産アサリの産地偽装問題も影

3年連続で潮干狩りが中止となった走水海岸=横須賀市

 「かながわブランド」に認定されているアサリが採れる神奈川県横須賀市・走水海岸の潮干狩り場が3年連続で中止となった。原因不明の不漁が続いており、補充用の国産アサリも産地偽装問題の影響から品薄の状態。運営する市東部漁業協同組合走水大津支所(同市走水)は対応に苦慮している。

 身がふっくらとして肉厚な走水のアサリ。三浦半島唯一の潮干狩り場(有料)は同支所のあさり部会が運営し、ゴールデンウイークを中心に例年4、5月は家族連れなどでにぎわう。

 ところが、3年前から原因不明の不漁が続いている。食害や海況、餌の影響などが指摘されているが、はっきりとは分かっていない。今年も肝心の稚貝が成長しておらず、やむを得ず中止を決めた。

 東京湾のアサリは長期的に見ても減少傾向にあり、県水産技術センター(三浦市・城ケ島)では漁獲量の回復を目指して、10年ほど前に走水海岸の潮干狩り場で試験を実施。砂利などを入れた網袋を海底に沈めて天然の稚貝を効率良く採取する方法で一定の効果を確認したが、網袋の継続的な管理が難しく、普及には至らなかった。

 天然ものの補充に使っていた三重県産のアサリも、品薄で入手できない状態という。熊本県産アサリの産地偽装の影響で国産アサリのニーズが高まっているためとみられる。

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