食中毒 延岡の男性死亡 グロリオサ原因か

誤食すると発熱や嘔吐などを引き起こすグロリオサ。白い根の部分がヤマイモに似ている(厚生労働省提供)

 宮崎県は14日、延岡市の自宅で有毒の植物グロリオサの根を食べたとみられる60代男性が、食中毒で死亡したと発表した。県の資料が残る1986(昭和61)年以降、同植物による死亡は県内で初めて。
 県衛生管理課によると、グロリオサは観賞用として普及。根の部分がヤマイモに似ている。化学物質のコルヒチンを含み、誤って食べると発熱や嘔吐(おうと)、臓器の機能不全といった中毒症状を起こす。
 男性は6日、自宅の家庭菜園で育てていたグロリオサの根をすりおろして食べたとみられ、嘔吐や下痢の症状が出たと知人に連絡。知人が8日に男性宅を訪れ、室内で亡くなっているのを見つけた。
 医師による検案で男性の体内からコルヒチンが検出され、延岡保健所が同物質による食中毒と判断した。
 同課は「食用と確実に判断できない植物は採らない、食べない、売らない、人にあげないの4点を徹底してほしい」と呼び掛けている。

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