「PLAN 75」カンヌ映画祭出品決定 75歳を迎えた人々に“命の選択”をさせる世界描く 倍賞千恵子主演

倍賞千恵子主演の映画「PLAN 75」が、5月17日(現地時間)より開催される第75回カンヌ国際映画祭のオフィシャルセレクション「ある視点」部門に正式出品されることが決まった。日本人監督作品が同部門に出品されるのは、2017年の黒沢清監督「散歩する侵略者」以来5年ぶり。日本人女性監督としては、河瀬直美監督以来2人目となる。

「PLAN 75」は、75歳以上の高齢者に自ら死を選ぶ権利を保障・支援する制度“PLAN 75”が施行された世界で、その制度に翻弄される人々の姿を描く作品。年齢で命を線引きする恐ろしさと、そのようなシステムを生み出してしまう社会構造や人々の意識に対する批判を込め、”生きるとは何か?”を問いかける。

脚本・監督を務めるのは、長編初監督となる早川千絵。映画監督の是枝裕和が総合監修を務めたオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の一篇「PLAN 75」を新たに構築した。「PLAN 75」の申請手続きを行うか考え始める主人公・角谷ミチを演じるのは倍賞千恵子。「PLAN 75」の申請窓口で働く岡部ヒロム役を「ヤクザと家族 The Family」などの磯村勇斗、申請者のサポート業務を担当する成宮瑶子役を「由宇子の天秤」などの河合優実が務める。

出品決定にあたり、早川監督から「喜ばしい知らせを受け、この映画にあらゆる形で関わってくださった一人一人の顔が浮かびました。感謝の気持ちとともに、多くの方に見ていただける幸運をかみしめています」と喜びと感謝を言葉にしている。また、主演を務めた倍賞は「早川監督、おめでとう。粘り強く頑張った甲斐がありましたね」と長編映画デビュー作となった早川監督へ祝福と共に労いの言葉を掛け、「この映画を通して「どう生きるか?」を考えるきっかけになればと願っています」とコメントを寄せた。

【コメント】

■倍賞千恵子(角谷ミチ役)
早川監督、おめでとう。粘り強く頑張った甲斐がありましたね。
私も『PLAN 75』に出演できた事を嬉しく思っています。
この映画を通して「どう生きるか?」を考えるきっかけになればと願っています。

■磯村勇斗(岡部ヒロム役)
とても光栄であり喜ばしい限りです。
改めて、早川千絵監督の作品に、俳優部として参加させて頂けたことに感謝しています。
早川監督、本当におめでとうございます。
『PLAN 75』が国境を越え多くの方に届けられることが嬉しいです。

■河合優実(成宮瑶子役)
この度は『PLAN 75』をすばらしい場所に選んでいただき、本当にありがとうございます。
カンヌということばの響きは、今の自分が辿り着く場所としてあまりにも現実味がなく、このとてもよろこばしい報せを聞いた今もまだ実感がありません。
早川千絵監督と倍賞千恵子さんをはじめ、この映画に力を尽くしたすべての人が残そうとしたものが画面に誠実に映っていること、そしてこの映画が観る人の心と映画の世界に新しい扉を開くような作品になってゆくことを強く願っています。

■早川千絵(脚本・監督)
喜ばしい知らせを受け、この映画にあらゆる形で関わってくださった一人一人の顔が浮かびました。
感謝の気持ちとともに、多くの方に見ていただける幸運をかみしめています。

【作品情報】
PLAN 75
2022年6月17日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開
配給:ハピネットファントム・スタジオ
© 2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fusee

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